自ら健康に、水から健康に。合言葉は「はやめに、こまめに」

ようこそいらっしゃいました。監督(管理人)の宏鈴法師です。当掲示板は全国どこの話題でもOKですのでどうぞ野球談義・よもやま話をお楽しみ下さい!なお、ご意見ご要望はメールでお願いします。悪しからずご了承くださいませ。


紀州レンジャーズ チーム結成以来全成績 175勝187敗35分け 42雨天中止  4新型インフルエンザ発生&流行中止1降雨ノーゲーム(OBチーム1試合)
宏鈴法師(管理人) MAIL

お知らせ

編集済
〇今日の和歌山大会一次予選試合結果(3日目 1・2回戦)
上富田球場・・・・・神  島4-3日  高(10回)・近大新宮ー南  部(雨天中止)・初芝橋本ー橋  本(雨天中止)
マツゲン有田球場・・熊  野2ー1田 辺 工・桐  蔭8-6南  陵(13回タイブレーク)・向  陽ー高 野 山(雨天中止)

〇今日の兵庫大会試合結果(3日目 2回戦)
明石トーカロ球場・・・神国大付11-0三  木(5回)・報徳学園10-0川西北陵(5回)
ウインク球場・・・明 石 商4-1東洋姫路・ 社  7-3六 ア イ・小  野6-1加古川西
G7スタジアム・・東 播 磨9-4科学技術・市  川10-5津  名
淡路佐野球場・・・ 須磨翔風7-2神 港 橘・神港学園4-3神戸弘陵

ちなみに今日観戦したロートスタジアム奈良は・・・

①奈 良 北9-6 高 田  8:57~11:25
② 天 理 15-10御 所 実 12:05~15:17
③智弁 学園7-6奈良 大付 15:56~18:37

なぜかしら17時08分 5回裏1死1塁カウント0-3の場面で突如、ナイター点灯!!

平城京1300年記念祭の春以来の鴻ノ池で95年秋の近畿大会以来のナイター観戦で雨も最小限ですんで、屋根下で傘ささずに帰宅でき良かったです。

22時前に帰宅し、明日は明石で今日と同じく9時から3試合観戦してきます!
2試合目からスコアブックつけたけど、第1試合もスコア付けるべきだったかな・・・。

〇明日の兵庫大会組み合わせ(4日目 2回戦)
明石トーカロ球場
    09:00~ 県立 大付-篠 山 産
    11:30~ 姫 路 西-西 脇 工
  ☆ 14:00~ 滝 川 二-武庫荘総合

G7スタジアム
    10:00~ 三田 松聖- 高 砂
  ☆ 13:00~ 姫 路 工-市 尼 崎

淡路佐野球場
  ☆ 10:00~  育 英 - 洲 本
  ☆ 13:00~ 神戸学院付- 東 灘

〇令和 4 年度 秋季近畿地区高等学校野球大会県一次予選 試合日程変更のお知らせ
https://www.whbf.jp/uploads/20220917183254_QI3b.pdf

9/17(土)にマツゲン有田球場並びに上富田スポーツセンター野球場で予定されていた1・2回戦3試合を悪天候のため中止とし、下記の通りに試合日程を変更しますので、お知らせします。

           記

9/20(火)紀三井寺公園野球場
第1試合 9:00 向 陽 対 高 野 山
第2試合 11:30 南 部 対 近大新宮
第3試合 14:00 初芝橋本 対 橋 本

なお、9/19(月)にマツゲン有田球場並びに上富田スポーツセンター野球場で予定されている2回戦6試合は、台風接近のため中止とし、21日(水)に順延いたします。以後の日程は次の通りとします。

9/21(水)紀三井寺公園野球場
第1試合 9:00 粉 河 対 那 賀
第2試合 11:30 日高中津 対 和歌山北
第3試合 14:00 紀 央 館 対 田 辺

マツゲン有田球場
第1試合 9:00 耐 久 対 和歌山東
第2試合 11:30 神 島 対 熊 野
第3試合 14:00 桐 蔭 対 向陽 対 高野山の勝者

〇兵庫大会日程等変更の案内
http://www.hyogo-koyaren.or.jp/taikai/nitteihenkou.php 

9月19日次の2試合について、球場収容人数の関係で変更を行います。

・須磨翔風 対 明石商業 
  神戸サブの第2試合 → 明石の第1試合

・ 社 対 市川 
  明石の第1試合 → 神戸サブの第2試合  

↓第75回秋季三重県大会の順延について
https://mie-kouyaren.com/2022/09/17/

台風接近による荒天が予想されるため、9月18日(日)の試合は4球場とも全て中止とし、9月19日(月)に順延致します。

↑明石商が東洋大姫路との強豪対決制す 先発・羽藤翼が7回途中1失点の好投「よく辛抱した」監督
https://news.yahoo.co.jp/articles/71bc29018d057aef71884dc9cbebfdc28d5f4ee6

<高校野球秋季兵庫大会:明石商4-1東洋大姫路>◇17日◇2回戦◇ウインク

春夏通算5度甲子園出場の明石商が今春センバツ出場校の東洋大姫路との「強豪校対決」を制した。左腕先発の羽藤翼投手(2年)は球を丁寧に低めに集め、走者を出してもしのぎ、7回途中1失点の好投を演じた。打線も3回、スクイズで先制すると、4回は適時打2本で2点を追加。5回は押し出し死球で得点し、着実にリードを広げた。狭間善徳監督(58)は「よく辛抱したのは事実。ベンチの中がいい感じ。みんなで声を掛け合っている」と振り返った。19年以来、4年ぶりのセンバツ出場に向けて難関を突破した。

また、岡田龍生監督(61)が率いる東洋大姫路は投打ともに精彩を欠いた。左腕先発の内海誠揮投手(2年)は序盤から制球が安定せず、5回4失点だった。攻撃も3点を追う5回は無死一、二塁の反撃機を築いたが、3バントで送れず、2死後には二塁走者もけん制で刺されるなど、自らチャンスを手放した。12安打を放ちながら1点止まり。岡田監督は「守備、走塁、バント。一番大切にしてベースにしているところができていない」と渋い表情だった。2大会連続のセンバツ出場は絶望的になった。

↑天理、御所実との乱打戦を制して初戦突破 秋季奈良大会
https://news.yahoo.co.jp/articles/7453231ce4f763115162a5e26cd16145caa2e1a3

◇秋季高校野球奈良県大会 2回戦 天理15―10御所実(2022年9月17日 ロートスタジアム奈良)

天理が御所実との3時間12分の乱打戦を制し、初戦を突破した。

1―3の3回に2ランを含む5安打で一挙8得点と相手を突き放したが、5回以降に失点を重ねるなど苦しい展開が続いた。攻撃ではチーム合計20安打も、2失策を含めたミスが目立ち、中村良二監督は「こういうことをしてると良くないよ、と。新チームから言っていることがほぼ全て出た。結局、1年生が大事なところで打って点を取った、もうちょっと2年生しっかりして欲しい」と苦言を呈した。

元阪神の関本賢太郎氏の次男・大成(2年)は「6番・一塁」で公式戦初出場し、2打数無安打で途中交代。「個人としては悔しい部分があったけど、チーム一丸となってしっかり一勝できた。次は100%の力を出せるように頑張っていきたい」と次戦でのアピールを誓った。

▼下林勇希主将(「1番二塁」でフル出場して2安打1打点)結果的に苦しい試合になったんですけど、勝てて次につながったので、次の試合までに反省して、次の試合は絶対に勝って甲子園につなげられるように。 

▼大谷汰一外野手(「5番中堅」で先発出場し、8回に2ラン)次の1点で流れが変わると思っていたので、そこで打てたのはとてもうれしい。 

〇小坂監督不在の智弁学園が初戦突破、高良主将「勝ててよかった」 秋季奈良大会
https://news.yahoo.co.jp/articles/6d4c2040dc54a112785e82982d0be40649642625

◇秋季高校野球奈良県大会 2回戦 智弁学園7―6奈良大付(2022年9月17日 ロートスタジアム奈良)

智弁学園は高校日本代表にコーチとして同行する小坂将商監督が不在の中、奈良大付との接戦を7―6で制した。

来秋ドラフト候補の主将・高良鷹二郎は「7番捕手」でフル出場し、2安打1打点。2回無死二塁で右翼への二塁打を放つと、1点優勢の3回は1死三塁で右犠飛を放ち3点目。5回は1死無走者から右前打で好機演出し、「チームが勝つためにやっているので、勝ててよかったです」と笑顔を見せ、小坂監督との「俺が帰ってくるまで絶対に負けるな」の約束を守った。

投げてはエースの中山優月(2年)が9安打6失点、130球で完投し、監督代行を務めた上田耕平コーチは「勝ててよかったです。選手らは(小坂)監督さんに教えてもらっていることをいなくてもやっていた」と安堵の表情を見せた。

↓《なんで野球部の応援のために吹奏楽部が客席で応援するの?》甲子園応援を「練習」を理由に見送った聖光学院ブラスバンド部の決断と影響
https://news.yahoo.co.jp/articles/cdf7af6c0a5f469ca56de767831feb950638256b?page=1

この夏の甲子園がクライマックスを迎えようとしていた8月19日、学校教員を名乗る人物のツイートが大きな話題になっていた。

《なんで野球部の応援のために吹奏楽部が客席で応援するの? じゃあ吹奏楽コンクールの応援に野球部も客席で素振りしなよ》(Twitterより)

このツイートは既に閲覧できなくなっており、発言者の真意は分からない。しかしどうして吹奏楽部が野球部に協力しなければならないのか。数ある運動部の中でもなぜ野球部だけが特別扱いを受けるのか――。そういった心の内側に抱えていた不満が爆発した形だろう。

コロナ禍でブラバン応援が禁止された大会もあったが、今年は50人という演奏者の人数制限こそあったものの、平時の応援風景が戻ってきていた。地方大会でさえ、1回戦から吹奏楽部を動員して全校応援をする学校も多い。

甲子園では國學院栃木がドボルザークの『新世界より』を荘厳に演奏してナインの3回戦進出を後押しし、大阪桐蔭は相変わらず大人数の編成で最新の曲を奏で、高校野球ファンの心をわしづかみにしていた。

だが、野球部だけを特別扱いして応援を強制する学校の姿勢や高校野球ファンの雰囲気に、嫌悪感を抱く吹奏楽部の部員や教員がいても無理はない。

そんな中、今年の甲子園でただ1校、ブラスバンドの生演奏ではなく事前に録音された音源を流して応援した学校がある。福島の聖光学院だ。

同校のブラスバンド部は、甲子園1回戦の日大三高(西東京)戦ではアルプス応援を実施したものの、2回戦からは「学校での練習」を理由に甲子園を離れ、同校史上初めて進出した準決勝の仙台育英(宮城)戦にも姿を見せなかった。

コンクールと日程が重なったり、2019年春の東邦(愛知)のようにアメリカ遠征の日程と重なってアルプス応援を取りやめるのは聞いたことがあるが、「学校での練習」を理由に甲子園での応援を見送るのはレアケースだ。

なぜ聖光学院のブラスバンド部は甲子園での演奏をやめたのか――。

その理由を尋ねるために、福島県伊達市の同校を訪ねた。対応してくれたのはブラスバンド部顧問の梅野和生教諭(36)だ。

「甲子園に行かない決断をしたのは今年が初めてです。理由は、8月21日に予定していた独自の演奏会に全力を注ぐため。というのも、甲子園応援は部員の負担がとても大きいんです。8月9日の1回戦では、8日の夜にバスで福島を出て車中泊で甲子園に向かい、9日に甲子園で演奏したあと、そのまま車中泊で福島に戻るという“0泊3日”の強行日程でした。大事な演奏会を控えるなか2回戦以降も応援するとなると、3回戦、準々決勝は連泊になる。いつ福島に戻ってこられるかもわからず、2回戦以降は現地での応援をしない決定をしました」

今年の甲子園は雨による順延が1日もなく、準々決勝が8月18日、準決勝が8月20日、決勝が8月22日というスケジュールで行われた。一方、ブラスバンド部が「ふくしん夢の音楽堂」で予定していた演奏会は、決勝前日の8月21日だった。

甲子園で野球部の応援を続けながら、慣れない宿泊先で演奏会の練習を重ねることは、練習場所や経済的な負担などを考えればとても現実的ではなかったという。

「1回戦の応援は、野球部の保護者をはじめみなさんに喜んでいただけました。2回戦以降は参加できないことをお詫びすると、『演奏会頑張ってください』と反対に励ましていただけました。もちろん、野球部の監督や部長にも報告をしていました」

聖光学院の野球部は、過去20年で16回甲子園に出場しており、ブラスバンド部にとっては夏の甲子園での演奏が“卒業公演”に位置づけられていた。

「甲子園に野球部が必ず行くとは限りませんし、コロナの感染状況によっては現地で楽器の演奏ができるかどうかも直前まで不透明でしたよね。コロナ以前のように甲子園での演奏を3年生の引退式にする場合、甲子園に出場できなかったり、出場しても演奏できなかったりすることが3年生部員にとって一番切ないことじゃないですか。特に今年の3年生は入学した時からコロナ禍が続いていて、活動らしい活動ができなかった。生徒たちになんとか人前で演奏する機会を最後に用意してあげたいと考えて、今年初めて演奏会を実施することにしたんです」

演奏会の日程を決めるうえで、甲子園大会の時期を避けるかどうかは部内でも意見が割れたという。しかし最終的には、部員たちの都合を最優先することを貫いた。

「演奏会の日を後ろにずらすことは検討しましたが、3年生は部活が終われば受験など、進路の準備に入る必要がある。それを後ろ倒しして生徒たちに迷惑をかけることはしたくありませんでした。福祉コースの2年生の実習の時期なども考えて、ここしかないというタイミングが8月21日でした」

2022年夏の聖光学院のブラスバンド部は、3年生が2人、2年生が3人、1年生は0人という小所帯だ。甲子園の1回戦では、部員5人に弓道部から助っ人で参加した1年生ひとり、梅野教諭も加わって7人編成で演奏している。

一方、硬式野球部は部員110名を誇るまさに学校の“看板”部活である。桁違いの部員数は、そのまま学校内のパワーバランスを表している。ブラスバンド部が演奏会のために甲子園応援に参加しないことについて、批判的な意見が梅野教諭のもとに届くようなことはなかったのだろうか。

「直接何かを言われることはありませんでしたね。ただ私自身が気にしすぎだったかもしれませんが、『行かないのか』という雰囲気を感じることは正直ありました……(苦笑)。甲子園で記者の方に2回戦以降は応援に参加しないことをお話しすると、みなさん『えっ?』という戸惑いの表情をされていました」

野球部が準決勝で敗れた翌日、演奏会は無事に実施され、万全の準備の甲斐あって盛況のうちに幕を閉じた。引退した3年生に代わって部長に就任した高橋明花さんは振り返る。

「演奏会も初めての試みで、手を抜きたくなかった。できるだけ私たちの音楽を届ける努力をして、可能な限りみなさんに聴いてもらいたかった。自分たちが成長できたという想いができるような演奏をこれからもしていきたい」

夏の甲子園に出場できる学校は全国でもわずか49校しかない。だからといって、アルプス席での応援を在校生に強制すべきではない。部員110人の野球部も、わずか数名のブラスバンド部も、同じ部活動である。優先すべきなのは、その学校に通う生徒ひとりひとりの青春だろう。

《なんで野球部の応援のために吹奏楽部が客席で応援するの?》

こうしたアンチツイートに対するひとつの回答が、聖光学院のブラスバンド部の勇気ある決断だった。

↓「甲子園で流れた『キセキ』は我々の演奏ではない」聖光学院ブラスバンド部が「美談」を求める高校球界へ投げかける一言《野球部との“対等で新しい関係性”を模索》
https://news.yahoo.co.jp/articles/b74a595f60e17077f422e8a820e913c8e2b5320e

甲子園のブラバン応援における二大巨頭といえば、千葉の市立習志野と大阪桐蔭だろう。高校野球の名門である両校だが吹奏楽部も名門で、全日本吹奏楽コンクールにおける金賞の常連校でもある。

習志野の吹奏楽部が球場で奏でる荘厳な音楽は「美爆音」と自称し、相手校のナインを聴覚から威圧する。吹奏楽部の石津谷治法教諭連盟理事長で、日本の高校吹奏楽界の名伯楽である。かつて私の取材にこう話していた。

「習志野の演奏を5万人近い観客に聴いてもらえる舞台なんて、日本どころか世界中を探してもありません。ブラバンは野球における勝負の命運を握っていると思います。勝てば選手のおかげ、負けたらブラバンのせいです」

近年の高校野球界で随一の存在感を放つ大阪桐蔭の吹奏楽部は、オリジナルの楽曲や最新のヒット曲を演奏するアルプス応援が人気で、昨年の大晦日にはとうとうNHKの紅白歌合戦に出演するまでに。吹奏楽部顧問の梅田隆司教諭も業界の有名人だ。

大所帯の名門吹奏楽部でも、甲子園や地方大会の応援にはコンクールに出場しない“二軍”を動員する学校もあるが、両校の教諭は同じような言葉を口にする。

「うちはコンクールよりも、野球部の(甲子園)応援を優先しています。できる限り、全部員が参加して演奏したい」(石津谷教諭)

「僕のポリシーは、部員全員で演奏したいということ。コンクールのメンバーはどうしても数制限がある。僕は生徒を選ぶのが嫌だから、部員全員が参加できる甲子園の応援を大事にしているんです」(梅田教諭)

コンクールより甲子園応援を優先する吹奏楽部がある一方で、部員5人の福島・聖光学院ブラスバンド部が、演奏会の準備のために2回戦以降の応援を取りやめたことは甲子園の中継でも報じられた。

「甲子園と演奏会のどちらを優先するか、という話ではないと思っています。あえて言えば生徒の意志優先というのが私のスタンス。それがブラスバンド部の生徒を預かる顧問としての務めかなと思います」

顧問の梅野和生教諭はそう語るものの、現実的には演奏会の日程調整などでは決断が必要だった。

聖光学院のアルプス席はいつも閑散としている印象がある。この夏も全校生徒590人のうち、甲子園応援を希望して参加したのは約50人だった。

その背景には、野球部が“強すぎる”ことも影響しているのかもしれない。聖光学院は過去20年で16度夏の甲子園に出場しており、甲子園出場のイベント感が低下していても不思議ではない。寄付金も潤沢とは言いがたく、応援に参加する生徒の金銭負担も小さくない。

野球部とブラスバンド部の関係性も、以前は少々ぎこちないものだったという。

「正直なことをお話ししますと、聖光のブラスバンド部は人数が少ないので甲子園や福島大会で演奏しても相手校に見劣りすることも多く、野球部ファンの方々があんまり喜んでいる印象はありませんでした。特に甲子園では『聖光だけ人数が少なくて、恥ずかしい応援をするんじゃないよ』と言われたり……。ただコロナ禍で応援ができない時期もあったことで、最近では逆に喜んでもらえるようになった感覚はあります。特に今年の野球部員は一度も楽器による応援を経験していなかったので、甲子園の1回戦だけでしたが野球部員から非常に感謝されました」

3年生が夏を最後に引退し、新たに部長となった2年生の高橋明花さんは、楽器を始めたのは高校からで、アルトサックスを担当している。東京の名門・日大三との甲子園1回戦は、ブラバン応援の人数では圧倒されたが楽しかったと話す。

「音量ではかないませんから、まずは自分たちが一番楽しむんだという気持ちで演奏しました。音楽が好きでブラスバンド部を選んだので、最初は甲子園での演奏は頭にありませんでした。でも参加してみて、大切な思い出になりました。私自身は2回戦以降も応援したい気持ちがあったんですが、3年生たちにとって最後になる演奏会も万全の準備で臨みたかった」

「甲子園に向かうバスはぎゅうぎゅう詰めで、ちょっとしんどかったです(笑)」
同じ2年生の東海林梨奈さんは、初めての甲子園応援をこう振り返る。

「甲子園に向かうバスはぎゅうぎゅう詰めで、ちょっとしんどかったです(笑)。応援はみんながひとつになって団結力が感じられた。やっぱり嬉しかったです。2回戦以降は演奏できなかったんですけど、野球部さんに『ありがとうございます』という感謝の言葉をもらって、ちょっと申し訳ない気持ちがありました。来年また野球部が甲子園に出場したら、もう一度参加したいです」

部員である2年生の寺島愛日さんや、助っ人で参加した1年生の神野彪くんも、「2回戦以降も応援したかった」と口にした。再び、梅野教諭が話す。

「部内でも、集大成として演奏会に力を入れたい3年生と、初めての甲子園応援となる2年生では少し温度差があったかもしれません。私も板挟みに遭いましたが、最終的には3年生たちのためにどう行動すべきかを考えました」

部員たちの取材が終わって梅野教諭の話を聞いていると、隣の教室から高橋さんのアルトサックスの音が聴こえてきた。曲は福島県出身の音楽グループ「GReeeeN」の『キセキ』。仙台育英と対戦した準決勝で聖光学院のアルプス席で流れ、準決勝後に「GReeeeN」もツイッターで聖光学院の快進撃に言及した。

《#聖光学院 全員主役の熱い夏 福島県の高校野球に新たな歴史が刻まれました。最後まで戦い抜く姿勢に、涙しました。誇りを胸に福島に帰ってきてください! 甲子園で鳴り響く「キセキ」心打たれました。「心」と「人間力」そして仲間と果敢に戦った選手・関係者の方々にエールを》

さらに、聖光学院に勝った仙台育英の吹奏楽部が、決勝で急遽『キセキ』を演奏し、「東北の連帯」と大きなニュースになった。そして、仙台育英は東北勢として初めて全国制覇を遂げ、深紅の優勝旗の白河の関越えを果たした。

なんとも高校野球ファンが喜びそうな美談だが、梅野教諭が困惑した表情で「実は……」と切り出した。

「甲子園で流れた聖光学院の『キセキ』は、われわれが演奏したものではないんです。2021年春のセンバツで高野連が配布した音源を今年も流したんだと思いますが……なんというか、申し訳ない気持ちでいっぱいです」

しかし、思わぬ形で注目を集めた『キセキ』を、甲子園応援も演奏会も終わった今になってなぜ練習する必要があるのだろうか。

「9月11日に合同の学校説明会があり、そこでブラスバンド部が演奏する機会をいただきました。われわれは演奏していないけれど、まるで演奏したかのように話題になっていましたので、それならいっそ『キセキ、やっか?』と部員に提案したんです。部員も楽譜を確認して『先生、いけます』と(笑)。聖光の定番曲にできたらいいですね」

甲子園では報道陣も高校野球ファンも、身勝手に感動話を求めるようなところがある。在校生はアルプス応援に参加するもの。それを当たり前のように思っているからこそ、このような事実とは異なる「美談」も生まれるのだろう。

それでも、高校野球ファンの心を掴んだ甲子園の『キセキ』は、正式部員が3人になってしまった聖光学院ブラスバンド部によって演奏されている。
2022/09/17(土) 23時47分04秒 No.83 編集 削除