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📝今年の野球界は「飛ばない」が話題に 高校球界やプロ野球で“競技性”に変化も
https://news.yahoo.co.jp/articles/d3f82f8d44fb9d6c57de9734eeb344c13d3b4780?page=1
今年のプロ野球は「飛ばない」と言われるボールの影響を受けたシーズンとなっている。攻撃面では各選手の打撃成績が低下、ロースコアゲームも目立つ。
また「飛ばない」というワードが話題となっているのはプロ野球界だけに限ったことではない。高校野球では「飛ばない」バットの採用が大きな影響を及ぼし、競技の在り方を根本から考え直すことにもつながるかもしれない。
「(高校野球は)飛ばないバットの導入で野球の質や戦い方が変わった。少ない得点を守り抜く戦い方が主流となり、強豪校ですら勝ち進むのが簡単ではなくなった。公式戦で木製バットを使用する選手が現れるなど、数年前までは考えられなかったことが起きた」(高校野球に詳しいスポーツライター)
今春から反発力の少ない新基準バットが導入されたことで各校の打力は大幅に下がった。今年のセンバツでは大会を通して3本塁打(昨年は12本)、夏の甲子園では7本塁打(昨年は23本)と例年に比べて明らかにその影響が出た。
「野球強豪校は豊富な練習量を誇り、金属バットとはいえ打力はプロ顔負けと言われた。新基準バットの採用で、結果的には打力の差がそこまで出なくなった。各校、1点を大事にする野球の原点に戻った形で好意的に捉える人も多い」(高校野球に詳しいスポーツライター)
本塁打数の激減に戸惑う人もいるが、投手の安全面や負担軽減などを考えると、高校野球では概ね「飛ばない」状況は好意的に受け入れられているようだ。しかし“エンタメ”の要素があるプロ野球では簡単に行かない部分がある。
「プロ野球は多額のお金が動く興行的側面が大きい。本塁打を中心とする長打は野球の華なので、『つまらなくなった』という人が多くなったのも事実」とパ・リーグ球団営業担当者は語る。
今季プロ野球ではオープン戦時から「ボールが飛ばなくなった」という声が聞こえるようになった。NPBは「ボールが変わった事実はない」と否定しているが、公式戦に入るとそういった声はさらに広がりを見せた。
「数人の選手が不調に陥って成績を落とすことは例年ある。しかし両リーグ全選手が揃って成績を落としており、打率3割を超える選手が数人しかいないのは異常」(在京セ・リーグ球団OB)
9月25日終了時点の打撃成績を見ると、打率が3割を越えているのは両リーグ合わせて3人のみ(ヤクルトのサンタナ、DeNAのオースティン、ソフトバンクの近藤健介)。本塁打数もヤクルトの村上宗隆が32本、ソフトバンクの山川穂高が33本と2人が30本超えしているだけだ。
「(打撃成績の低下は)逆に投手には好影響を与えている。中日の高橋宏斗は8月終わりまで防御率0点台を維持していた。打球が飛ばないことがわかっていれば、積極的にストライクゾーンで勝負できる。緊迫した投手戦が好きな人にとってはウエルカムな状況」(在京球団スコアラー)
「飛ばない」という状況ついてNPB側はボールは「適格」であるとし、検査結果を日本プロ野球選手会も確認している。だが、事実今シーズンは“投高打低”が顕著であり、反発係数は範囲内であるかもしれないが、何らかの理由でボールが飛ばなくなっているという声は根強い。
「(仮に飛ばないボールが使用されているとしたら)試合時間短縮へ向けての試験的導入なのではないかとも思う。MLBではピッチクロックを採用して大幅な時間短縮を実現、ファンの野球離れへの対応を図った。導入に莫大なコストのかかるピッチクロック以外の対応策をNPBは模索しているのではないか」(スポーツマネージメント会社関係者)
米国でMLB(野球)はNFL(アメリカンフットボール)やNBA(バスケットボール)の人気に押されている。試合時間の長さによる間延び感が一つの原因といういう見方もあり、ピッチクロックが導入され、結果的に30分近い大幅な試合時間短縮が実現した。
「SDGsや地球温暖化対策も加わり試合時間短縮は大きな問題。NPBでもピッチクロック導入の話は出るが前に進まない。また『野球は間のスポーツ』という考えもあり反対意見が多い。代替案の1つとして試験的に公式球を“飛ばない”ようにした可能性はあるのではないか」(スポーツマネージメント会社関係者)
だが、NPBの1試合(9イニング)の平均時間は今季が3時間02分に対して、昨年は3時間07分。多少の短縮化はできているが、ピッチクロックほどの絶大な効果は出ていない。
「試合時間の問題もあるだろうが、最終的にはグラウンド上の戦いで盛り上げることが重要。熾烈を極めるセ・リーグ優勝争い、パ・リーグAクラス争いに野球ファンのみならず世間の注目も向いてきている。NPB最終盤の戦いがもっと熱くなれば良い」(在京セ・リーグ球団OB)
「投高打低は残念な部分もあるが全球団が同じ公式球で戦っている。今季に関してのデータや対応策も準備でき始めている。今後はそういうものを選手や現場がフル活用して結果に繋げれられるかが大事」(在京球団スコアラー)
一時期は「飛ばないボール」の話題が多く取り上げられていたが、ここへきて沈静化もしてきている。野球の質は変わっているものの、熱い戦いが続き野球そのものに興味が向くようになったからだろう。来シーズン以降はどうなるか分からない部分も多いが、ひとまず今年は“接戦”を楽しむ姿勢が大事になってくるのかもしれない。
📝やっぱり真夏に甲子園で野球をやるのは厳しい…「9回制→7回制」の議論よりも高野連が真っ先にやるべきこと
https://news.yahoo.co.jp/articles/3e40f6f917fe0a187e6b70986a2a2e43b81aa66b
ここ数年、日本高野連は相次いでルールやレギュレーションの改定を行っている。ライターの広尾晃さんは「その多くは『夏の甲子園』を継続させるための施策にすぎない。高野連はより根本的な問題を考えるべきだ」という――。
■なぜ高野連は「9回制から7回制」にしようとしているのか
夏の甲子園が京都国際高の初優勝で幕を閉じて1カ月が過ぎた。今にして思うのは、この第106回の大会が、甲子園、高校野球にとって大きな分岐点になるのではないか、ということだ。
日本高野連は、ここ数年、大きなルール、レギュレーションの改定を次々と打ち出してきた。
延長13回からの「タイブレーク」の導入(2018年)、「申告敬遠」の導入(2020年)、さらに2「7日間500球の球数制限」を導入(2021年)。
2023年にはタイブレークが延長10回からと改められた。
同年の夏の甲子園では5回終了時に10分間の「クーリングタイム」が設けられた。
今年は春の甲子園から、反発係数が低い新規格の金属バットが導入された。夏の甲子園では「試合開始時間の変更」が行われ、開会式から3日間は、午後の時間帯に試合を行わない「二部制」が導入された。
さらに日本高野連は「9回制から7回制」への移行についても「ワーキンググループ」を設置して検討に入ると発表した。わずか10年前と比べても、高校野球は大きく様変わりした。
曰く「守旧派」曰く「先例主義」曰く「権威主義」。今でも高野連に対しては、この手の批判をする人がいるが、それは旧聞に過ぎなくなっている。このところの日本高野連の「改革」は、驚くばかりではある。
■野球人口減少は「少子化」だけが要因ではない
筆者は日本高野連に足を運び、直接話を聞いてきたが、高校野球の存続に対する強い危機感があるのは間違いないところだ。
まず高校野球の競技人口減少が止まらない。日本高野連の公式サイトによれば、2017年には17万312人いた男子硬式野球部員は、2024年には12万7031人と25.4%も減少している。
参加校数も2005年の4253校をピークとして2024年は3798校と10.7%の減少だ。この減少幅は少子化だけでは説明がつかない。
高校野球はさまざまな理由で「高校生から選択されない」競技になっているのだ。
かつては「甲子園で潰れたら本望」と本気で口にする指導者や父母もいたし「夏の暑さなど精神力で克服できる」という人もたくさんいたのだ。
そうした高校野球の古い固定観念を打破し、新たな高校野球の姿を見せるために、明確な改革の姿勢が必要になっているのだ。しかしながら、夏の甲子園を取り巻く状況は厳しい。
筆者は今年、7月上旬から高校野球の地方大会、甲子園を観戦した。今年は、愛知県など第試合開始時間を早めたところもあり、暑さを実感するために各地の大会の第1試合を観戦した。
■選手の暑さ対策はできている
今年は梅雨らしい梅雨がなかったこともあり、7月の上旬から日差しは強かった。
それでも7月上旬は、風は涼しくしのぎやすかった。7月中旬以降は朝から空気が暖められて熱風が吹き始めていた。そして甲子園の大会が始まる8月上旬には、朝から耐え難い暑さになっていた。ただ、観戦していて感じたのは「選手はまだこの暑さは耐えられるのではないか」ということだ。
「暑熱順化」という言葉がある。軍隊などで炎天下に重装備で行軍練習をするなどして、夏の暑さに耐えられるように体質を変えることを言う。
高校野球部でも、あえて炎天下にノックなどの猛練習をすることで、夏の暑さに耐えることができる体質を作る練習が行われている。選手が「試合よりも練習がきつい」というのは、このためだ。選手にとっても過酷な環境ではあるが、それなりの「準備」はできているのだ。
それに地方球場であってもバックネット裏の本部室や会議室などは空調が利いている。ドリンクタイムなどにはこうした部屋に駆け込んで冷風に当たることも可能なのだ。
もちろん「連合チーム」など、練習機会に恵まれない学校の選手は暑熱順化できていない可能性があるが。
■灼熱に晒される観客たち
一方で、応援団や観客の多くに暑熱順化できている人はそういない。退避場所もそれほどない。耐え難い暑さにさらされて熱中症になる人も多い。
炎天下で演奏する吹奏楽部の生徒なども、気分が悪くなって日陰に駆け込む人がいた。応援席には、冷凍したペットボトルのドリンクを配って回る人がいる。筆者もいくつか受け取った。「学校関係者ではないので」と断ったが「誰であっても倒れられては困りますので」と渡された。
地方大会の会場となる球場の多くは、内野部分に屋根や庇が設置されていない。観客は直射日光にさらされる。逃げ場がない印象だ。
そういう球場でも外野席には樹木が植えてあって日影があるのだが、地方大会では管理の関係上、外野席を開放していないことが多い。しかし暑さ対策を考えるなら外野席の開放も考えるべきだろう。
そして選手や観客以上に、厳しい状況に置かれているのが審判だ。審判は選手と異なり、攻守交代の際もベンチに戻ることはできない。ボールボーイが持ってくる飲料を飲むくらいしかできない。
■誰が審判の体調を管理するのか
審判は「マスターオブゲーム」で試合全般の進行をすべて司っている。選手に「しっかり水分を補給しなさい」と言い、少しでも苦しい表情を見せた選手はベンチに下がらせるなど、選手の健康に気遣っているが、審判自身の体調は自分で管理するしかない。
中には足がつるなど熱中症の症状が出て、控えの審判と交代する例も出てきている。選手より年長で、過酷な任務に就いている審判は、限界ぎりぎりになっている。高校野球の審判がボランティアであることを考えれば、審判問題も危機的状況だ。
前述のとおり、甲子園の大会が始まる8月初旬は、最も暑さが厳しい時期ではある。
しかし出場するのは暑熱順化ができている選手たちではある。しかも甲子園の両軍ベンチはエアコンが利いている。クーリングタイムもあるし、地方大会より厳しいとは言えない。
ただし甲子園ともなれば、選手の気持ちの入り方は地方大会とは異なっている。
今大会では開会式直後の第1試合、滋賀学園対有田工戦で両軍合わせて9失策があった。第3試合でも、智辯学園対岐阜城北戦(延長11回)で両軍合わせて11失策を記録したのは、選手たちが甲子園という大舞台で、過度に緊張していたからだろう。そういう状況では熱中症のリスクは高まる。
■夏の甲子園の観客数は減っている
甲子園の内野席には「銀傘」という大屋根がついている。特に一塁側は朝から日陰になっている。しかし一三塁のアルプス席と左翼、右翼の外野席はほぼ一日中、日光に照らされる。
アルプス席に陣取る応援団は非常に厳しい状況に置かれる。救護室に運ばれる人も少なくなかった。そして、審判の過酷さは地方大会と同様だ。
阪神甲子園球場は、150億円を投じて2027年までに「銀傘」をアルプス席の上まで増築すると発表した。しかしそれが竣工しても外野席は従前のまま、直射日光にさらされる。
実は今年の甲子園は、これほど盛り上がりながら、ほとんど満員にならなかった。
2024年の総観客数は48試合で67万800人、これは昨年の63万9300人より多いが、2010年以降、コロナ禍前までは毎年80万人以上を動員していたことを考えると、寂しい状況だ。
入場料を値上げしたのが大きいのだろうが、それに加え酷暑の影響があって客足が遠のいたのではないか。
ここまで高校野球の現状を見てきて思うのは「夏の高校野球」は選手だけでなく観客や審判、スタッフにとっても過酷な環境になってきていると言うことだ。
スポーツは「する(選手)」「見る(観客)」「支える(審判やスタッフ)」の三者によって成立しているとされるが「夏の甲子園」は、誰にとっても厳しい状況になっている。
■いまだ勝利至上主義が残る高校野球
日本高野連から発表された「7回制」に向けた議論を行うワーキンググループの設置も、この酷暑の中で試合をするために時間短縮を目的としたものだ。午後の最も暑い時間を避けたうえで1日4試合を消化するには7回制が必要なのだ。
ただ、これは「野球」という競技の根幹にかかわる問題だけに、大いに議論を呼んでいる。
筆者は高校野球の指導者に意見を求めたが、公立高校の監督たちは「納得しているわけではないが、7回制導入もやむなし」という声が多かったのに対し、私学の強豪校は「7回制にすると野球が変わってしまう」「7回制になると有利なチームと不利なチームができてしまう」と否定的な意見が多かった。
球数制限の議論の時も同様だったが、強豪校の指導者たちは、新たなルールを導入して「力関係が変わってしまうこと」の懸念を口にする人が多い。
しかしルール変更すれば「野球そのもの」が変わるのだから、これまでの勢力図が変わるのは当たり前のことだ。それを問題視するのは、こうした指導者が野球界全体を見渡す大局観がなく勝敗に固執しているからだと思う。
■「聖地を守る」のではなく「選手を守る」
またこれも球数制限の時と同様、指導者の中には「選手の意見を尊重すべき」と言う人がいる。これは一見もっともな感じもするが、高校生たちは、野球界の現状や、地球温暖化よりも自分の未来に熱中している。
強豪校の選手たちに聞けばほぼ全員が「9回でやりたい」と言うに決まっているのだ。指導者が「子どもたちが9回でと言っているから」というのは、大人として判断すべきことを選手にゆだねるという意味で、責任放棄ではないかと思う。
9月に入っても信じられないような酷暑が続いている。今年は昨年と並び「史上最も暑い夏」だったと言う。そしてこの酷暑は来年以降も続き、さらに温暖化は進行するとみられている。
7回制への移行は喫緊の課題ではあろう。しかし、7回制でも試合時間は2時間弱だ。これ以上気温が上昇すれば、何イニングであれ、この時期に試合をすること自体が困難になるだろう。
甲子園をドーム化するのか、大会会場、地域を変更するのか、開催時期を変更するのか、近い将来、さらなる決断をするときが必ずくる。
日本高野連、関係者は「聖地甲子園を守る」のではなく「選手と高校野球を守る」ために何ができるのか、先を見通した議論を始めるべきではないか。
📝【山口県高校野球】秋季県高校野球 あすから8強激突
https://news.yahoo.co.jp/articles/d6cb36abdf1cb99fe4c7615a9fd6c409679029e3
秋季中国地区高校野球大会の県予選を兼ねた硬式の県スポーツ大会高校野球は27日から、下関市のオーヴィジョンスタジアム下関で地区大会を勝ち抜いた8校による決勝大会が始まる。
地区大会では宇部商と高川学園が2試合連続のコールド勝ちと強さを見せた。宇部商は2試合で20点、3回戦で吉屋、薬師寺の中軸が本塁打を放つなど好調。高川学園も2試合で19点、特に遠矢が2試合で6打点と存在感を示す。
下関国際は2、3回戦ともに終盤に逆転する勝負強さを見せた。3回戦で宇部鴻城に競り勝った西京は2試合で計4打点の末次が打線をけん引。宇部工は主戦・上村が2試合で計16回を投げ、自責点0と好投を見せる。
柳井学園は3回戦で夏の甲子園に出場した南陽工に勝利して勢いに乗る。周防大島は3回戦で郡山の5打点の活躍もあり、徳山商工を延長の末に下した。柳井は2回戦でシード校の桜ケ丘に勝利した勢いでベスト8入りを決めた。
1~3位は10月25日から島根県出雲市の浜山公園野球場を主会場に開かれる中国大会への出場権を得る。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d3f82f8d44fb9d6c57de9734eeb344c13d3b4780?page=1
今年のプロ野球は「飛ばない」と言われるボールの影響を受けたシーズンとなっている。攻撃面では各選手の打撃成績が低下、ロースコアゲームも目立つ。
また「飛ばない」というワードが話題となっているのはプロ野球界だけに限ったことではない。高校野球では「飛ばない」バットの採用が大きな影響を及ぼし、競技の在り方を根本から考え直すことにもつながるかもしれない。
「(高校野球は)飛ばないバットの導入で野球の質や戦い方が変わった。少ない得点を守り抜く戦い方が主流となり、強豪校ですら勝ち進むのが簡単ではなくなった。公式戦で木製バットを使用する選手が現れるなど、数年前までは考えられなかったことが起きた」(高校野球に詳しいスポーツライター)
今春から反発力の少ない新基準バットが導入されたことで各校の打力は大幅に下がった。今年のセンバツでは大会を通して3本塁打(昨年は12本)、夏の甲子園では7本塁打(昨年は23本)と例年に比べて明らかにその影響が出た。
「野球強豪校は豊富な練習量を誇り、金属バットとはいえ打力はプロ顔負けと言われた。新基準バットの採用で、結果的には打力の差がそこまで出なくなった。各校、1点を大事にする野球の原点に戻った形で好意的に捉える人も多い」(高校野球に詳しいスポーツライター)
本塁打数の激減に戸惑う人もいるが、投手の安全面や負担軽減などを考えると、高校野球では概ね「飛ばない」状況は好意的に受け入れられているようだ。しかし“エンタメ”の要素があるプロ野球では簡単に行かない部分がある。
「プロ野球は多額のお金が動く興行的側面が大きい。本塁打を中心とする長打は野球の華なので、『つまらなくなった』という人が多くなったのも事実」とパ・リーグ球団営業担当者は語る。
今季プロ野球ではオープン戦時から「ボールが飛ばなくなった」という声が聞こえるようになった。NPBは「ボールが変わった事実はない」と否定しているが、公式戦に入るとそういった声はさらに広がりを見せた。
「数人の選手が不調に陥って成績を落とすことは例年ある。しかし両リーグ全選手が揃って成績を落としており、打率3割を超える選手が数人しかいないのは異常」(在京セ・リーグ球団OB)
9月25日終了時点の打撃成績を見ると、打率が3割を越えているのは両リーグ合わせて3人のみ(ヤクルトのサンタナ、DeNAのオースティン、ソフトバンクの近藤健介)。本塁打数もヤクルトの村上宗隆が32本、ソフトバンクの山川穂高が33本と2人が30本超えしているだけだ。
「(打撃成績の低下は)逆に投手には好影響を与えている。中日の高橋宏斗は8月終わりまで防御率0点台を維持していた。打球が飛ばないことがわかっていれば、積極的にストライクゾーンで勝負できる。緊迫した投手戦が好きな人にとってはウエルカムな状況」(在京球団スコアラー)
「飛ばない」という状況ついてNPB側はボールは「適格」であるとし、検査結果を日本プロ野球選手会も確認している。だが、事実今シーズンは“投高打低”が顕著であり、反発係数は範囲内であるかもしれないが、何らかの理由でボールが飛ばなくなっているという声は根強い。
「(仮に飛ばないボールが使用されているとしたら)試合時間短縮へ向けての試験的導入なのではないかとも思う。MLBではピッチクロックを採用して大幅な時間短縮を実現、ファンの野球離れへの対応を図った。導入に莫大なコストのかかるピッチクロック以外の対応策をNPBは模索しているのではないか」(スポーツマネージメント会社関係者)
米国でMLB(野球)はNFL(アメリカンフットボール)やNBA(バスケットボール)の人気に押されている。試合時間の長さによる間延び感が一つの原因といういう見方もあり、ピッチクロックが導入され、結果的に30分近い大幅な試合時間短縮が実現した。
「SDGsや地球温暖化対策も加わり試合時間短縮は大きな問題。NPBでもピッチクロック導入の話は出るが前に進まない。また『野球は間のスポーツ』という考えもあり反対意見が多い。代替案の1つとして試験的に公式球を“飛ばない”ようにした可能性はあるのではないか」(スポーツマネージメント会社関係者)
だが、NPBの1試合(9イニング)の平均時間は今季が3時間02分に対して、昨年は3時間07分。多少の短縮化はできているが、ピッチクロックほどの絶大な効果は出ていない。
「試合時間の問題もあるだろうが、最終的にはグラウンド上の戦いで盛り上げることが重要。熾烈を極めるセ・リーグ優勝争い、パ・リーグAクラス争いに野球ファンのみならず世間の注目も向いてきている。NPB最終盤の戦いがもっと熱くなれば良い」(在京セ・リーグ球団OB)
「投高打低は残念な部分もあるが全球団が同じ公式球で戦っている。今季に関してのデータや対応策も準備でき始めている。今後はそういうものを選手や現場がフル活用して結果に繋げれられるかが大事」(在京球団スコアラー)
一時期は「飛ばないボール」の話題が多く取り上げられていたが、ここへきて沈静化もしてきている。野球の質は変わっているものの、熱い戦いが続き野球そのものに興味が向くようになったからだろう。来シーズン以降はどうなるか分からない部分も多いが、ひとまず今年は“接戦”を楽しむ姿勢が大事になってくるのかもしれない。
📝やっぱり真夏に甲子園で野球をやるのは厳しい…「9回制→7回制」の議論よりも高野連が真っ先にやるべきこと
https://news.yahoo.co.jp/articles/3e40f6f917fe0a187e6b70986a2a2e43b81aa66b
ここ数年、日本高野連は相次いでルールやレギュレーションの改定を行っている。ライターの広尾晃さんは「その多くは『夏の甲子園』を継続させるための施策にすぎない。高野連はより根本的な問題を考えるべきだ」という――。
■なぜ高野連は「9回制から7回制」にしようとしているのか
夏の甲子園が京都国際高の初優勝で幕を閉じて1カ月が過ぎた。今にして思うのは、この第106回の大会が、甲子園、高校野球にとって大きな分岐点になるのではないか、ということだ。
日本高野連は、ここ数年、大きなルール、レギュレーションの改定を次々と打ち出してきた。
延長13回からの「タイブレーク」の導入(2018年)、「申告敬遠」の導入(2020年)、さらに2「7日間500球の球数制限」を導入(2021年)。
2023年にはタイブレークが延長10回からと改められた。
同年の夏の甲子園では5回終了時に10分間の「クーリングタイム」が設けられた。
今年は春の甲子園から、反発係数が低い新規格の金属バットが導入された。夏の甲子園では「試合開始時間の変更」が行われ、開会式から3日間は、午後の時間帯に試合を行わない「二部制」が導入された。
さらに日本高野連は「9回制から7回制」への移行についても「ワーキンググループ」を設置して検討に入ると発表した。わずか10年前と比べても、高校野球は大きく様変わりした。
曰く「守旧派」曰く「先例主義」曰く「権威主義」。今でも高野連に対しては、この手の批判をする人がいるが、それは旧聞に過ぎなくなっている。このところの日本高野連の「改革」は、驚くばかりではある。
■野球人口減少は「少子化」だけが要因ではない
筆者は日本高野連に足を運び、直接話を聞いてきたが、高校野球の存続に対する強い危機感があるのは間違いないところだ。
まず高校野球の競技人口減少が止まらない。日本高野連の公式サイトによれば、2017年には17万312人いた男子硬式野球部員は、2024年には12万7031人と25.4%も減少している。
参加校数も2005年の4253校をピークとして2024年は3798校と10.7%の減少だ。この減少幅は少子化だけでは説明がつかない。
高校野球はさまざまな理由で「高校生から選択されない」競技になっているのだ。
かつては「甲子園で潰れたら本望」と本気で口にする指導者や父母もいたし「夏の暑さなど精神力で克服できる」という人もたくさんいたのだ。
そうした高校野球の古い固定観念を打破し、新たな高校野球の姿を見せるために、明確な改革の姿勢が必要になっているのだ。しかしながら、夏の甲子園を取り巻く状況は厳しい。
筆者は今年、7月上旬から高校野球の地方大会、甲子園を観戦した。今年は、愛知県など第試合開始時間を早めたところもあり、暑さを実感するために各地の大会の第1試合を観戦した。
■選手の暑さ対策はできている
今年は梅雨らしい梅雨がなかったこともあり、7月の上旬から日差しは強かった。
それでも7月上旬は、風は涼しくしのぎやすかった。7月中旬以降は朝から空気が暖められて熱風が吹き始めていた。そして甲子園の大会が始まる8月上旬には、朝から耐え難い暑さになっていた。ただ、観戦していて感じたのは「選手はまだこの暑さは耐えられるのではないか」ということだ。
「暑熱順化」という言葉がある。軍隊などで炎天下に重装備で行軍練習をするなどして、夏の暑さに耐えられるように体質を変えることを言う。
高校野球部でも、あえて炎天下にノックなどの猛練習をすることで、夏の暑さに耐えることができる体質を作る練習が行われている。選手が「試合よりも練習がきつい」というのは、このためだ。選手にとっても過酷な環境ではあるが、それなりの「準備」はできているのだ。
それに地方球場であってもバックネット裏の本部室や会議室などは空調が利いている。ドリンクタイムなどにはこうした部屋に駆け込んで冷風に当たることも可能なのだ。
もちろん「連合チーム」など、練習機会に恵まれない学校の選手は暑熱順化できていない可能性があるが。
■灼熱に晒される観客たち
一方で、応援団や観客の多くに暑熱順化できている人はそういない。退避場所もそれほどない。耐え難い暑さにさらされて熱中症になる人も多い。
炎天下で演奏する吹奏楽部の生徒なども、気分が悪くなって日陰に駆け込む人がいた。応援席には、冷凍したペットボトルのドリンクを配って回る人がいる。筆者もいくつか受け取った。「学校関係者ではないので」と断ったが「誰であっても倒れられては困りますので」と渡された。
地方大会の会場となる球場の多くは、内野部分に屋根や庇が設置されていない。観客は直射日光にさらされる。逃げ場がない印象だ。
そういう球場でも外野席には樹木が植えてあって日影があるのだが、地方大会では管理の関係上、外野席を開放していないことが多い。しかし暑さ対策を考えるなら外野席の開放も考えるべきだろう。
そして選手や観客以上に、厳しい状況に置かれているのが審判だ。審判は選手と異なり、攻守交代の際もベンチに戻ることはできない。ボールボーイが持ってくる飲料を飲むくらいしかできない。
■誰が審判の体調を管理するのか
審判は「マスターオブゲーム」で試合全般の進行をすべて司っている。選手に「しっかり水分を補給しなさい」と言い、少しでも苦しい表情を見せた選手はベンチに下がらせるなど、選手の健康に気遣っているが、審判自身の体調は自分で管理するしかない。
中には足がつるなど熱中症の症状が出て、控えの審判と交代する例も出てきている。選手より年長で、過酷な任務に就いている審判は、限界ぎりぎりになっている。高校野球の審判がボランティアであることを考えれば、審判問題も危機的状況だ。
前述のとおり、甲子園の大会が始まる8月初旬は、最も暑さが厳しい時期ではある。
しかし出場するのは暑熱順化ができている選手たちではある。しかも甲子園の両軍ベンチはエアコンが利いている。クーリングタイムもあるし、地方大会より厳しいとは言えない。
ただし甲子園ともなれば、選手の気持ちの入り方は地方大会とは異なっている。
今大会では開会式直後の第1試合、滋賀学園対有田工戦で両軍合わせて9失策があった。第3試合でも、智辯学園対岐阜城北戦(延長11回)で両軍合わせて11失策を記録したのは、選手たちが甲子園という大舞台で、過度に緊張していたからだろう。そういう状況では熱中症のリスクは高まる。
■夏の甲子園の観客数は減っている
甲子園の内野席には「銀傘」という大屋根がついている。特に一塁側は朝から日陰になっている。しかし一三塁のアルプス席と左翼、右翼の外野席はほぼ一日中、日光に照らされる。
アルプス席に陣取る応援団は非常に厳しい状況に置かれる。救護室に運ばれる人も少なくなかった。そして、審判の過酷さは地方大会と同様だ。
阪神甲子園球場は、150億円を投じて2027年までに「銀傘」をアルプス席の上まで増築すると発表した。しかしそれが竣工しても外野席は従前のまま、直射日光にさらされる。
実は今年の甲子園は、これほど盛り上がりながら、ほとんど満員にならなかった。
2024年の総観客数は48試合で67万800人、これは昨年の63万9300人より多いが、2010年以降、コロナ禍前までは毎年80万人以上を動員していたことを考えると、寂しい状況だ。
入場料を値上げしたのが大きいのだろうが、それに加え酷暑の影響があって客足が遠のいたのではないか。
ここまで高校野球の現状を見てきて思うのは「夏の高校野球」は選手だけでなく観客や審判、スタッフにとっても過酷な環境になってきていると言うことだ。
スポーツは「する(選手)」「見る(観客)」「支える(審判やスタッフ)」の三者によって成立しているとされるが「夏の甲子園」は、誰にとっても厳しい状況になっている。
■いまだ勝利至上主義が残る高校野球
日本高野連から発表された「7回制」に向けた議論を行うワーキンググループの設置も、この酷暑の中で試合をするために時間短縮を目的としたものだ。午後の最も暑い時間を避けたうえで1日4試合を消化するには7回制が必要なのだ。
ただ、これは「野球」という競技の根幹にかかわる問題だけに、大いに議論を呼んでいる。
筆者は高校野球の指導者に意見を求めたが、公立高校の監督たちは「納得しているわけではないが、7回制導入もやむなし」という声が多かったのに対し、私学の強豪校は「7回制にすると野球が変わってしまう」「7回制になると有利なチームと不利なチームができてしまう」と否定的な意見が多かった。
球数制限の議論の時も同様だったが、強豪校の指導者たちは、新たなルールを導入して「力関係が変わってしまうこと」の懸念を口にする人が多い。
しかしルール変更すれば「野球そのもの」が変わるのだから、これまでの勢力図が変わるのは当たり前のことだ。それを問題視するのは、こうした指導者が野球界全体を見渡す大局観がなく勝敗に固執しているからだと思う。
■「聖地を守る」のではなく「選手を守る」
またこれも球数制限の時と同様、指導者の中には「選手の意見を尊重すべき」と言う人がいる。これは一見もっともな感じもするが、高校生たちは、野球界の現状や、地球温暖化よりも自分の未来に熱中している。
強豪校の選手たちに聞けばほぼ全員が「9回でやりたい」と言うに決まっているのだ。指導者が「子どもたちが9回でと言っているから」というのは、大人として判断すべきことを選手にゆだねるという意味で、責任放棄ではないかと思う。
9月に入っても信じられないような酷暑が続いている。今年は昨年と並び「史上最も暑い夏」だったと言う。そしてこの酷暑は来年以降も続き、さらに温暖化は進行するとみられている。
7回制への移行は喫緊の課題ではあろう。しかし、7回制でも試合時間は2時間弱だ。これ以上気温が上昇すれば、何イニングであれ、この時期に試合をすること自体が困難になるだろう。
甲子園をドーム化するのか、大会会場、地域を変更するのか、開催時期を変更するのか、近い将来、さらなる決断をするときが必ずくる。
日本高野連、関係者は「聖地甲子園を守る」のではなく「選手と高校野球を守る」ために何ができるのか、先を見通した議論を始めるべきではないか。
📝【山口県高校野球】秋季県高校野球 あすから8強激突
https://news.yahoo.co.jp/articles/d6cb36abdf1cb99fe4c7615a9fd6c409679029e3
秋季中国地区高校野球大会の県予選を兼ねた硬式の県スポーツ大会高校野球は27日から、下関市のオーヴィジョンスタジアム下関で地区大会を勝ち抜いた8校による決勝大会が始まる。
地区大会では宇部商と高川学園が2試合連続のコールド勝ちと強さを見せた。宇部商は2試合で20点、3回戦で吉屋、薬師寺の中軸が本塁打を放つなど好調。高川学園も2試合で19点、特に遠矢が2試合で6打点と存在感を示す。
下関国際は2、3回戦ともに終盤に逆転する勝負強さを見せた。3回戦で宇部鴻城に競り勝った西京は2試合で計4打点の末次が打線をけん引。宇部工は主戦・上村が2試合で計16回を投げ、自責点0と好投を見せる。
柳井学園は3回戦で夏の甲子園に出場した南陽工に勝利して勢いに乗る。周防大島は3回戦で郡山の5打点の活躍もあり、徳山商工を延長の末に下した。柳井は2回戦でシード校の桜ケ丘に勝利した勢いでベスト8入りを決めた。
1~3位は10月25日から島根県出雲市の浜山公園野球場を主会場に開かれる中国大会への出場権を得る。