自ら健康に、水から健康に。合言葉は「はやめに、こまめに」
⚾今日の和歌山大会新人戦試合結果(5日目 2回戦)
紀三井寺球場・・・・和歌山工8-0近大新宮(7回)・和 智 弁14-2田 辺(6回)
サンナンタンランド球場・・・桐 蔭3-2那 賀・紀 央 館5-0向 陽
📝マツコが見た大社と江の川 生放送番組で切り出した意外な発言…振り返って気付いた2校の偶然の一致
https://news.yahoo.co.jp/articles/980cb763a7750f60d295ca7d15dd3a3d097fdc9b
夏の甲子園は終わったが、島根代表の大社高校ナインが巻き起こした「旋風」は、意外なところにも広がっていたようだ。
19日午後5時。生放送のテレビ番組が始まって間もなく、タレントのマツコ・デラックスさんが、こう切り出したという。「皆さんも甲子園、見た方がいいですよ」―
この時間、準々決勝が行われていた甲子園では、大社が神村学園(鹿児島)と対戦中。五回を終え、2-3と互角の戦いを繰り広げていた。
「大接戦ですから」「何かすごいね、普通の公立校が…」。名前は出さずとも、大社のことを指していたのは明らか。さらに「江の川(現石見智翠館)以来よ。島根旋風は」と絶賛した。
かなりの高校野球通と見た。江の川が夏の甲子園で旋風を巻き起こしたのが2003年。2回戦から登場すると、中越(新潟)を2―0、3回戦は沖縄尚学を1―0、続く準々決勝は聖望学園(埼玉)を2―1で撃破。準決勝では、現在大リーグ・パドレスで活躍するダルビッシュ有投手が2年生だった東北(宮城)を相手に中盤まで互角に渡り合ったが、最後は1―6で力尽きた。
当時、江の川の準々決勝と準決勝を甲子園で取材した。左腕・木野下優投手を中心に堅い守りで接戦を勝ち上がり、島根勢80年ぶりの4強入りを果たした。
今夏の大社も左腕・馬庭優太投手を中心に堅い守りと機動力を駆使し、島根勢では江の川以来、21年ぶりの「夏3勝」をマークした。
大社の勝ち上がりは▽1回戦3-1報徳学園(兵庫)▽2回戦5-4創成館(長崎)▽3回戦3-2早稲田実業(西東京)―の順。偶然だろうか。得点こそ異なるものの、勝ちゲームの得点差は、江の川と全く同じだった。
現在は江の川から校名が変わった石見智翠館と大社は、今夏の島根大会決勝で相まみえた間柄。3年前の決勝は、石見智翠館のエースがノーヒットノーランの快投で大社を下し、甲子園では8強入りを飾った。
しばらくはこの2チームが島根の高校野球をけん引するのか。あるいは他のチームが割って入るのか。
「今年もまた島根旋風が吹いてるわよ」。マツコさんのそんな声が聞きたい。
📝「タイブレークに“必然”を感じたことは一度もない」甲子園決勝でもタイブレーク制は必要? 監督たちが語る本音は…「場面設定も公平ではない」
https://news.yahoo.co.jp/articles/b1f5777cdfe899b359d9ff3650b8e75f7280098b
史上初のタイブレーク決着となった関東一(東東京)と京都国際(京都)による夏の甲子園決勝。最終盤まで競り合った白熱のゲーム展開だっただけに、9回を終えてのタイブレーク制にはSNSをはじめとして賛否両論、多くの意見が上がった。では、全国の頂点を決める一戦での新システム導入に、現場の監督たちはどんな思いを抱いたのだろうか?
甲子園の決勝戦にも、タイブレークがあるのか――。
恥ずかしながらいまのいままで知らなかったので、今年の夏の甲子園の決勝戦を見て驚いた。決勝だけは「延長で白黒つけるんだろう」と理由もなく、そう決めつけていた。そんな話をあるチームの指導者の方としていると、こんな言葉が返ってきた。
「夏の甲子園に勝ち上がってきたチームは、立派な<勝者たち>じゃないかと思うんです。ムリヤリ、敗者を作る必要はないでしょう。甲子園は、お祭りでいいんじゃないでしょうか」
「甲子園はお祭りでいい」――それは、どういうことだろうか。
「最後の最後まで、敗者を作る必要はないと思う」
「2020年の交流試合の形が、私には理想形だと思えるんです。県大会の勝者たちを、主催者が敬意を持って甲子園に招待する。全チームが1試合ずつ、甲子園で試合をして、勝敗を決するというより甲子園での野球を味わい尽くす……みたいな」
どうしても、優勝校を決めなきゃいけないというのなら……と、独自のアイディアも明かす。
「決勝戦は9イニングで終了。もし同点だったら、両校優勝で良いでしょう。メダルは倍の数、用意しておけばいいんだし、旗(大優勝旗)だってもう1本作っとけばいいんです。最後の最後まで、敗者を作る必要はないと思うんです」
こんなふうに考えるようになった経緯……そこは、ご自身の体験が、ベースになっているという。
「高校生活のすべてと引き換えにして、<甲子園>を目指す。さんざん苦労して、たいへんな思いして、県大会を勝ち抜いて、やっとこさっとこで、甲子園に出場した。ところがやっと出られたと思ったら、1回戦で強い相手にボコボコにされて、気がついたら控え室で、みんなでワーワー泣いていました。
なんだ、オレの<甲子園>って、こんなことかと。オレの甲子園は号泣だけか、泣いたことしか覚えてない。「勝者」だと思って出て行った甲子園なのに、完全な「敗者」になって……。生徒たちをそんな目に遭わせる必要があるんですかね」
「タイブレークなんて、<運>ですから」
もっとはっきりと言いきってくださったのは、ご自身には「甲子園実戦経験」のない別の監督さんだった。
「タイブレークなんて、<運>ですから」
驚くほど、決然としたもの言い。よほど、思うところがあるようだ。
「僕も何度かタイブレークを経験していますけど、たまたま、打球が抜けてくれたから、たまたまあそこで相手のキャッチャーがパスボールしてくれたから……勝った時も、負けた時も、タイブレークに<必然>を感じたことは一度もないですね」
必ずしも、公平な「場面設定」ではないという。
「高校野球の場合、打順も前のイニングの継続ですから、向こうが1番から始まるのに、こっちは7番からってこともある。直前に追い上げて同点にしていれば、そっちの勢いのほうが優っている状態で、タイブレークに入れますし。チームの全力を投入して、タイブレークの1イニングで勝負を決せよというのが建て前なんでしょうけど、実際には、なかなかそうはいかないですね。
勝負に<たられば>はないっていいますけど、タイブレークは、<たられば>だらけ。選手たちにも、私たちにも、ものすごく不完全燃焼が残ります。場合によっては、勝っても後でモヤモヤしたものが残る時もありますから」
ならば、どうするのが良いのだろうか。
「私だったら、延長の後のタイブレークですね。これだったら、気が済むんじゃないですか、誰もが。9回同点から、12回でも13回でも延長戦をやって、それでも決着がつかなかったら、そこからタイブレーク。出来れば、打順は選択制にしてもらって。これなら、『出し切った! 』という満足感もあって、選手たちの体調にも、そこまで危険な感じもないのかなって」
勝負における「最高の負け方」とは?
勝負というものに「最高の負け方」というものがもしあるとしたら、それは「持てる力をすべて出し尽くして、それでもわずかに及ばず」という形に尽きるだろう。
そう考えている者にとって、勝負の後、主人公の選手たちに「ほんとはもっとやれたのかもしれないのに」と、そんな悔しい思いが残ってしまうことが、なによりやりきれない。
「延長戦の後のタイブレーク決着」
もしかしたら、究極の「名案」なのではないかと思い始めている。
📝夏の甲子園「2部制」導入のタイミングは…ナイター経験者は肯定的もスンナリいかない複雑事情
https://news.yahoo.co.jp/articles/1de970c6304b74715b610396a9bec64b2faa0ac9
高校野球が大きな変革時期を迎えている。熱中症対策として7回制や甲子園以外でのドーム球場での開催が検討される中、今大会で試験的に導入された1日2部制もそうだ。
実施されたのは大会初日からの3日間。初日は開会式後の午前10時に第1試合を行い、16時から第2試合、18時半から第3試合が行われた。2、3日目は午前8時と10時35分に第1、第2試合、夕方の17時から第3試合という日程だった。
本来、夏は大会初日以外は1日4試合が基本だが、日中の最も暑い時間を避け、後半の試合を夕方~夜に設定。大会規定には「8月7日(初日)の第1試合は13時半を過ぎて終了していない場合、8月8、9日の第2試合は14時半を過ぎて終了していない場合は、それぞれ原則として継続試合とする」という文言も加わった。実際、「ナイター」を行った学校はどんな反応だったか。
初日の3試合目を経験した智弁学園(奈良)の小坂将商監督(47)は「良い経験、勉強になりました」と、好意的だ。
「開会式が終わって18時半からと時間が空いていたので、一度、宿舎に戻って休むなど、気持ちを切り替えて試合に臨めました。僕は1日3試合の日の3試合目を4回経験しているんです。(そのひとつだった2017年の)センバツの時は、寒さ対策が必須だった。2試合目だと、すっと試合に入れるんですけど(開催時間の決まっていない)3試合目だと(甲子園近隣の)体育館で調整など(をする必要)もあった」
前の試合が長引き、結果としてナイター開催になったことは、過去の甲子園でも珍しくはない。しかし、従来のそれと異なるのは、開始時間が決まっていたことだ。
大会3日目の9日、17時からの第3試合で南陽工(山口)を下した菰野(三重)の萩原部長が言う。
「抽選会で17時プレーボールとわかっていましたからね。起床時間から食事時間までナイター開催に合わせて調整ができました。普通、甲子園は第1試合以外は開始時間が流動的じゃないですか。前の試合次第で、もっと遅くなることもある。それを考えると、調整はしやすかったですね」
敗れた南陽工の澤野部長も言う。「17時開始といっても、授業が終わってから部活と考えると、普通に練習をしている時間ですからね。ウチのグラウンドは照明があってナイターにも適応しているので、環境を考えれば今まで通りですね」
菰野の部員も「甲子園に来てからは16~18時に練習するなど少しでも夜の環境に合わせようとしていました」「風が吹いて、むしろ寒いくらいでしたね」と話している。
プロのスカウトからは「2部制だから一度、ホテルに戻ってシャワーを浴びたんですが……。涼しい室内からまた暑い甲子園に……と考えると、出掛ける気力が萎えかけた。2部制は勘弁ですよ(苦笑)」という声もあったが、現場はおおむね2部制を歓迎。今回は3日間のみの「試験導入」だったが、来年は正式導入待ったなしか。
「いや、そう簡単な話ではない」と話すのは、マスコミ関係者だ。
「出場校は歓迎するでしょうが、2部制の導入は簡単な話ではありません。というのも、甲子園を本拠地とする阪神タイガースも無関係ではないからです。全日程で1日3試合の2部制にすればもちろん、午前中と夕方以降の1日4部制にしても、これまで以上に日程を要することは確実。終了時間を区切ることで継続試合が何試合も出たり、雨天中止も考えれば、より多くの日程を確保しなければいけない。そうなると、阪神がいつまで経っても本拠地に帰れず、そちらにしわ寄せが行く。今年の11月までには来夏の甲子園の日程を決めなければいけないが、それまでに阪神と折衝して調整することを考えると到底、来年の2部制の正式導入は間に合わないようです」
2部制が決まるのはどんなに早くても再来年。あるいはもっと先の可能性もある。それまで甲子園に出場する球児たちは、従来通りの対策、気合と根性で酷暑を乗り切るしかなさそうだ。
📝甲子園で初実施「朝・夕2部制」現場のリアルな声はどうだった? 出場選手&監督が語るホントのトコロ「夜に始まるなんて、試合も練習も…」
https://news.yahoo.co.jp/articles/89b9935c9c7c66b89897b4b4104b00f9a4fad137
「暑さ対策」の一環として、夏の甲子園が今年も大改革に打って出た。
5回終了時に10分間、水分補給や体を冷やす時間を設ける「クーリングタイム」を実施した昨年に続き、今年は気温が最も高くなる日中の時間帯を避け、午前中と夕方以降に試合を行う「2部制」を8月7日の開幕日から3日間、試験的に導入した。
開会式のある初日は第1試合が10時開始。第2試合が16時開始、第3試合が18時30分開始予定となった。2日目と3日目は、第2試合までを午前中に行い、第3試合は17時開始に設定された。結論として、「夕方の部」で試合をした選手、監督の意見は好意的なものだった。
高校生は夕方の時間帯に試合をする経験こそ少ないかもしれない。しかし、練習となると平日は概ね16時あたりから始まるため時間帯を気にする選手は少なく、むしろ「涼しくてやりやすかった」と口を揃える。監督たちも「いい取り組みだと思います」や「ありがたいです」と賛同していた。
そうはいっても、開会式のため代表校が集結する初日に戦うチームにとっては、「長い1日」となった。
「試合時間が決まっているので…」
第2試合に登場したセンバツ優勝校の健大高崎はこの日、4時に起床した。キャプテンの箱山遥人が淡々と話す。
「試合時間が決まっているので、いつも通り準備して臨むだけでした」
チームは開会式後に一旦、宿舎へ戻り30分ほどリラックスタイムを設けるなどして再び甲子園に戻り、そして、起床から12時間後に行われた英明との試合で1-0と引き締まったゲームを披露してくれた。この試合で英明の百々愛輝がプレー中に左足を攣らせたことで、治療のため10分ほど試合が中断されたように、夕方以降の試合であっても暑さという猛威が消えたわけではない。
第3試合を戦った岐阜城北の秋田和哉監督は、試合中に足が攣った選手がいたことを明かしたうえで「2部制」を前向きに捉える。
「普段も夜まで練習していますし、試合前から『今日は(夜の)10時まで試合をするぞ! 』と言って選手を送り出しました。結果的に足が攣る選手は出てしまいましたけど、チームはいい状態でゲームに入れました」
岐阜城北の対戦相手となる智弁学園は、開会式後に宿舎で1時間ほど仮眠を取り、夕食後にストレッチで体をほぐしてから甲子園に入った。キャッチャーの山崎光留は、「いいコンディションで試合に臨めた」と話す。
「そこまで暑くないし、プレーしにくいことはなかったです。ナイターは経験ないですけど、いつも暗いなかで自主練とかやっているんで。フライの見え方はいつもと違っていたんでちょっと気にはなりましたけど、大きな問題はなくプレーできたと思っています」
18時52分に試合が始まったナイトゲームは、両チーム合計10エラーと守備の乱れが目立った。なかでも、タイブレークとなる延長戦でバント処理のミスが多かったが、試合に勝利した智弁学園の小坂将商監督は、「2部制」とは無関係であることを強調する。
「ボールを捕る前に投げようとするから暴投とかするだけで。『捕ってから投げる』ことに集中すればいい話なんですけど、初戦の硬さが出たんじゃないですか? 最初からナイターっていうのはなかなかないですから、外野フライ、特にセンターの遠近感は昼間とは違うと伝えてはいましたけど、そこはちゃんと処理してくれましたよね」
延長11回までもつれた試合が終わったのは21時36分。これは、2021年の高川学園対小松大谷が記録した、21時40分に次ぐ遅さとなった。
最終試合の取材が終わったのは…22時過ぎ!
試合後の取材を終えた頃には、時計の針は22時を過ぎていた。選手時代に大学、社会人とプレーしていた小坂は「僕は経験がありますけど、選手は初めてだったんじゃないですか」と言い、「2部制」の意義について簡潔に私見を述べる。
「いいことだと思います。涼しいし」このように、監督はもちろん選手たちが強調していたのは「涼しさ」だった。
智弁学園のエース・田近楓雅が「攻撃の間にムシムシしていないベンチで休めるので投げやすかった」と語っていたように、ピッチャーにこそ恩恵があるように思えた。
とりわけ、「夕方の部」が1試合のみで、開始時間が明確な2日目と3日目がそうだ。8日の札幌日大戦で12奪三振の完投を演じた京都国際のエース・中崎琉生は、「うまく調整ができました」と顔をほころばせた。
最大で1日4試合を行う甲子園において、昨年までは第1試合を除けば開始時間は「予定」でしかなかった。そのため、中崎は自分たちが戦う前の試合を見ながら「この回からアップを始めよう」といったルーティンを定めていた。それが、今年は15時に球場入りをすると「15時30分からストレッチ」「16時からキャッチボール」といったタイムスケジュールを組むことができたのだという。
「前までは、自分たちの試合が始まる時間が読めないなか調整する難しさがありました。そのなかでもしっかりと調整はできてはいたんですけど、今年は開始時間がわかっていたなかでできたんで準備しやすかったです」
ピッチャーのコンディションにおける優位性について、「暑さも関係しているのではないか」と推察するのは、9日の試合で南陽工に勝利した菰野の森田亮太監督である。
150球を費やしながらも2失点完投と、上々のパフォーマンスを披露した2年生エースの栄田人逢を称えつつ、こう加えた。
「日差しや暑さへの対策はさせていたんですけど、やはりピッチャーにとっては大きかったんじゃないでしょうか。栄田は序盤で50球くらい投げましたけど(4回まで59球)、これが日中の試合だったなら、おそらくピッチング内容に違いが出てきたと思います」
敗者側からは2部制への「準備が必要」の声も
ここでは、主に勝者側の印象を取り上げているが、そこには理由がある。敗れたチームの監督や選手は悔しさが色濃く残り、試合について述べるので精一杯だったからである。そのなかで、菰野に敗戦した南陽工の山崎康浩監督は「負けてしまえば、あれもこれもと思ってしまうんですけど」と、反省材料を模索するように本音を打ち明けてくれた。
「夜に始まるのなんて、試合も練習もそんなにないでしょ。そういうところをね、今後、ちょっと考えていかないといけないかな、と。でも、応援する方にとってはいい環境だったんじゃないかな。涼しかったですしね」
大きな混乱がなく、現場からの反応が良好だった「2部制」は意義があったのだろう。改革には議論がつきものだ。
それが本当の意味での「選手ファースト」ならば、新たな取り組みはどんどん導入していくべきである。
📝甲子園〝完全ナイター開催〟が現実になる日 2部制導入も熱中症対策どうなる
https://news.yahoo.co.jp/articles/92e1372db2dccf9844215b6910f3ed1209bb8303
高校野球の「夏の甲子園」で、今年は猛暑対策として午前と夕方に分けて試合を行う2部制が導入された。5回終了時に水分補給のための休憩を取るクーリングタイムも去年から継続している。
2部制は7~9日の3日間、朝から1~2試合、夕方から2試合を実施。が、神戸市の最高気温が34・2度に達した7日、大会本部の発表によると、夕方からの2試合で選手3人の足がつった。また観客13人が熱中症となり、急きょ救護室で手当てを受けたという。
10日からは従来の1日4試合制に戻り、チケットは完売。大いに盛り上がっているが、いまだに猛暑が続く中、熱中症の増加が懸念される。
夏の甲子園における熱中症被害は今に始まったことではない。私がその怖さを目の当たりにしたのは2017年の第99回大会だ。開会式で日本高野連会長のあいさつの最中に、滝川西のプラカードを持つ市立西宮の女子高生が突然うつぶせに昏倒(こんとう)。観衆がざわめく中、大会関係者がすぐ女子を連れ出し、救護室へ運んでいる。
仙台育英―日本文理戦では、仙台育英の捕手が目まいや手足のしびれを訴え、9回の守備から交代。救急車で西宮市内の病院に運ばれた。仙台育英は予選でも同様のケースが発生している。
17年の全国の予選を調べてみると、千葉大会の開幕戦で観客約30人が熱中症となり、野球部員2人が救急搬送。熊本大会でも、観客34人が病院に運ばれている。
そうした事態を受け、翌18年の大会前には、大阪府教育委員会から高野連に試合開始時間、大会時期の変更なども含めた暑さ対策の検討が要請された。こうして開会式の前、選手とプラカード嬢に水のペットボトルを配布する対策が定着したのである。
しかし、この6年前の時点でも、対策が遅きに失した感は否めない。今大会から試合中に1度のクーリングタイムが設けられたが、埼玉ではもっと早く16年から、2度水分補給に充てる時間をつくっているのだ。
ナイター開催も17年に京都府高野連が実施している。最高気温39度の7月23日、鳥羽―立命館宇治の試合開始時間を夕方16時から夜19時1分に変更。延長11回、立命館宇治が6―5で勝ったのは22時37分だった。里井祥吾監督は「日中の試合だったら、(選手が)倒れていただろう」と吐露している。
近い将来、甲子園のナイター化も現実になるかもしれない。
紀三井寺球場・・・・和歌山工8-0近大新宮(7回)・和 智 弁14-2田 辺(6回)
サンナンタンランド球場・・・桐 蔭3-2那 賀・紀 央 館5-0向 陽
📝マツコが見た大社と江の川 生放送番組で切り出した意外な発言…振り返って気付いた2校の偶然の一致
https://news.yahoo.co.jp/articles/980cb763a7750f60d295ca7d15dd3a3d097fdc9b
夏の甲子園は終わったが、島根代表の大社高校ナインが巻き起こした「旋風」は、意外なところにも広がっていたようだ。
19日午後5時。生放送のテレビ番組が始まって間もなく、タレントのマツコ・デラックスさんが、こう切り出したという。「皆さんも甲子園、見た方がいいですよ」―
この時間、準々決勝が行われていた甲子園では、大社が神村学園(鹿児島)と対戦中。五回を終え、2-3と互角の戦いを繰り広げていた。
「大接戦ですから」「何かすごいね、普通の公立校が…」。名前は出さずとも、大社のことを指していたのは明らか。さらに「江の川(現石見智翠館)以来よ。島根旋風は」と絶賛した。
かなりの高校野球通と見た。江の川が夏の甲子園で旋風を巻き起こしたのが2003年。2回戦から登場すると、中越(新潟)を2―0、3回戦は沖縄尚学を1―0、続く準々決勝は聖望学園(埼玉)を2―1で撃破。準決勝では、現在大リーグ・パドレスで活躍するダルビッシュ有投手が2年生だった東北(宮城)を相手に中盤まで互角に渡り合ったが、最後は1―6で力尽きた。
当時、江の川の準々決勝と準決勝を甲子園で取材した。左腕・木野下優投手を中心に堅い守りで接戦を勝ち上がり、島根勢80年ぶりの4強入りを果たした。
今夏の大社も左腕・馬庭優太投手を中心に堅い守りと機動力を駆使し、島根勢では江の川以来、21年ぶりの「夏3勝」をマークした。
大社の勝ち上がりは▽1回戦3-1報徳学園(兵庫)▽2回戦5-4創成館(長崎)▽3回戦3-2早稲田実業(西東京)―の順。偶然だろうか。得点こそ異なるものの、勝ちゲームの得点差は、江の川と全く同じだった。
現在は江の川から校名が変わった石見智翠館と大社は、今夏の島根大会決勝で相まみえた間柄。3年前の決勝は、石見智翠館のエースがノーヒットノーランの快投で大社を下し、甲子園では8強入りを飾った。
しばらくはこの2チームが島根の高校野球をけん引するのか。あるいは他のチームが割って入るのか。
「今年もまた島根旋風が吹いてるわよ」。マツコさんのそんな声が聞きたい。
📝「タイブレークに“必然”を感じたことは一度もない」甲子園決勝でもタイブレーク制は必要? 監督たちが語る本音は…「場面設定も公平ではない」
https://news.yahoo.co.jp/articles/b1f5777cdfe899b359d9ff3650b8e75f7280098b
史上初のタイブレーク決着となった関東一(東東京)と京都国際(京都)による夏の甲子園決勝。最終盤まで競り合った白熱のゲーム展開だっただけに、9回を終えてのタイブレーク制にはSNSをはじめとして賛否両論、多くの意見が上がった。では、全国の頂点を決める一戦での新システム導入に、現場の監督たちはどんな思いを抱いたのだろうか?
甲子園の決勝戦にも、タイブレークがあるのか――。
恥ずかしながらいまのいままで知らなかったので、今年の夏の甲子園の決勝戦を見て驚いた。決勝だけは「延長で白黒つけるんだろう」と理由もなく、そう決めつけていた。そんな話をあるチームの指導者の方としていると、こんな言葉が返ってきた。
「夏の甲子園に勝ち上がってきたチームは、立派な<勝者たち>じゃないかと思うんです。ムリヤリ、敗者を作る必要はないでしょう。甲子園は、お祭りでいいんじゃないでしょうか」
「甲子園はお祭りでいい」――それは、どういうことだろうか。
「最後の最後まで、敗者を作る必要はないと思う」
「2020年の交流試合の形が、私には理想形だと思えるんです。県大会の勝者たちを、主催者が敬意を持って甲子園に招待する。全チームが1試合ずつ、甲子園で試合をして、勝敗を決するというより甲子園での野球を味わい尽くす……みたいな」
どうしても、優勝校を決めなきゃいけないというのなら……と、独自のアイディアも明かす。
「決勝戦は9イニングで終了。もし同点だったら、両校優勝で良いでしょう。メダルは倍の数、用意しておけばいいんだし、旗(大優勝旗)だってもう1本作っとけばいいんです。最後の最後まで、敗者を作る必要はないと思うんです」
こんなふうに考えるようになった経緯……そこは、ご自身の体験が、ベースになっているという。
「高校生活のすべてと引き換えにして、<甲子園>を目指す。さんざん苦労して、たいへんな思いして、県大会を勝ち抜いて、やっとこさっとこで、甲子園に出場した。ところがやっと出られたと思ったら、1回戦で強い相手にボコボコにされて、気がついたら控え室で、みんなでワーワー泣いていました。
なんだ、オレの<甲子園>って、こんなことかと。オレの甲子園は号泣だけか、泣いたことしか覚えてない。「勝者」だと思って出て行った甲子園なのに、完全な「敗者」になって……。生徒たちをそんな目に遭わせる必要があるんですかね」
「タイブレークなんて、<運>ですから」
もっとはっきりと言いきってくださったのは、ご自身には「甲子園実戦経験」のない別の監督さんだった。
「タイブレークなんて、<運>ですから」
驚くほど、決然としたもの言い。よほど、思うところがあるようだ。
「僕も何度かタイブレークを経験していますけど、たまたま、打球が抜けてくれたから、たまたまあそこで相手のキャッチャーがパスボールしてくれたから……勝った時も、負けた時も、タイブレークに<必然>を感じたことは一度もないですね」
必ずしも、公平な「場面設定」ではないという。
「高校野球の場合、打順も前のイニングの継続ですから、向こうが1番から始まるのに、こっちは7番からってこともある。直前に追い上げて同点にしていれば、そっちの勢いのほうが優っている状態で、タイブレークに入れますし。チームの全力を投入して、タイブレークの1イニングで勝負を決せよというのが建て前なんでしょうけど、実際には、なかなかそうはいかないですね。
勝負に<たられば>はないっていいますけど、タイブレークは、<たられば>だらけ。選手たちにも、私たちにも、ものすごく不完全燃焼が残ります。場合によっては、勝っても後でモヤモヤしたものが残る時もありますから」
ならば、どうするのが良いのだろうか。
「私だったら、延長の後のタイブレークですね。これだったら、気が済むんじゃないですか、誰もが。9回同点から、12回でも13回でも延長戦をやって、それでも決着がつかなかったら、そこからタイブレーク。出来れば、打順は選択制にしてもらって。これなら、『出し切った! 』という満足感もあって、選手たちの体調にも、そこまで危険な感じもないのかなって」
勝負における「最高の負け方」とは?
勝負というものに「最高の負け方」というものがもしあるとしたら、それは「持てる力をすべて出し尽くして、それでもわずかに及ばず」という形に尽きるだろう。
そう考えている者にとって、勝負の後、主人公の選手たちに「ほんとはもっとやれたのかもしれないのに」と、そんな悔しい思いが残ってしまうことが、なによりやりきれない。
「延長戦の後のタイブレーク決着」
もしかしたら、究極の「名案」なのではないかと思い始めている。
📝夏の甲子園「2部制」導入のタイミングは…ナイター経験者は肯定的もスンナリいかない複雑事情
https://news.yahoo.co.jp/articles/1de970c6304b74715b610396a9bec64b2faa0ac9
高校野球が大きな変革時期を迎えている。熱中症対策として7回制や甲子園以外でのドーム球場での開催が検討される中、今大会で試験的に導入された1日2部制もそうだ。
実施されたのは大会初日からの3日間。初日は開会式後の午前10時に第1試合を行い、16時から第2試合、18時半から第3試合が行われた。2、3日目は午前8時と10時35分に第1、第2試合、夕方の17時から第3試合という日程だった。
本来、夏は大会初日以外は1日4試合が基本だが、日中の最も暑い時間を避け、後半の試合を夕方~夜に設定。大会規定には「8月7日(初日)の第1試合は13時半を過ぎて終了していない場合、8月8、9日の第2試合は14時半を過ぎて終了していない場合は、それぞれ原則として継続試合とする」という文言も加わった。実際、「ナイター」を行った学校はどんな反応だったか。
初日の3試合目を経験した智弁学園(奈良)の小坂将商監督(47)は「良い経験、勉強になりました」と、好意的だ。
「開会式が終わって18時半からと時間が空いていたので、一度、宿舎に戻って休むなど、気持ちを切り替えて試合に臨めました。僕は1日3試合の日の3試合目を4回経験しているんです。(そのひとつだった2017年の)センバツの時は、寒さ対策が必須だった。2試合目だと、すっと試合に入れるんですけど(開催時間の決まっていない)3試合目だと(甲子園近隣の)体育館で調整など(をする必要)もあった」
前の試合が長引き、結果としてナイター開催になったことは、過去の甲子園でも珍しくはない。しかし、従来のそれと異なるのは、開始時間が決まっていたことだ。
大会3日目の9日、17時からの第3試合で南陽工(山口)を下した菰野(三重)の萩原部長が言う。
「抽選会で17時プレーボールとわかっていましたからね。起床時間から食事時間までナイター開催に合わせて調整ができました。普通、甲子園は第1試合以外は開始時間が流動的じゃないですか。前の試合次第で、もっと遅くなることもある。それを考えると、調整はしやすかったですね」
敗れた南陽工の澤野部長も言う。「17時開始といっても、授業が終わってから部活と考えると、普通に練習をしている時間ですからね。ウチのグラウンドは照明があってナイターにも適応しているので、環境を考えれば今まで通りですね」
菰野の部員も「甲子園に来てからは16~18時に練習するなど少しでも夜の環境に合わせようとしていました」「風が吹いて、むしろ寒いくらいでしたね」と話している。
プロのスカウトからは「2部制だから一度、ホテルに戻ってシャワーを浴びたんですが……。涼しい室内からまた暑い甲子園に……と考えると、出掛ける気力が萎えかけた。2部制は勘弁ですよ(苦笑)」という声もあったが、現場はおおむね2部制を歓迎。今回は3日間のみの「試験導入」だったが、来年は正式導入待ったなしか。
「いや、そう簡単な話ではない」と話すのは、マスコミ関係者だ。
「出場校は歓迎するでしょうが、2部制の導入は簡単な話ではありません。というのも、甲子園を本拠地とする阪神タイガースも無関係ではないからです。全日程で1日3試合の2部制にすればもちろん、午前中と夕方以降の1日4部制にしても、これまで以上に日程を要することは確実。終了時間を区切ることで継続試合が何試合も出たり、雨天中止も考えれば、より多くの日程を確保しなければいけない。そうなると、阪神がいつまで経っても本拠地に帰れず、そちらにしわ寄せが行く。今年の11月までには来夏の甲子園の日程を決めなければいけないが、それまでに阪神と折衝して調整することを考えると到底、来年の2部制の正式導入は間に合わないようです」
2部制が決まるのはどんなに早くても再来年。あるいはもっと先の可能性もある。それまで甲子園に出場する球児たちは、従来通りの対策、気合と根性で酷暑を乗り切るしかなさそうだ。
📝甲子園で初実施「朝・夕2部制」現場のリアルな声はどうだった? 出場選手&監督が語るホントのトコロ「夜に始まるなんて、試合も練習も…」
https://news.yahoo.co.jp/articles/89b9935c9c7c66b89897b4b4104b00f9a4fad137
「暑さ対策」の一環として、夏の甲子園が今年も大改革に打って出た。
5回終了時に10分間、水分補給や体を冷やす時間を設ける「クーリングタイム」を実施した昨年に続き、今年は気温が最も高くなる日中の時間帯を避け、午前中と夕方以降に試合を行う「2部制」を8月7日の開幕日から3日間、試験的に導入した。
開会式のある初日は第1試合が10時開始。第2試合が16時開始、第3試合が18時30分開始予定となった。2日目と3日目は、第2試合までを午前中に行い、第3試合は17時開始に設定された。結論として、「夕方の部」で試合をした選手、監督の意見は好意的なものだった。
高校生は夕方の時間帯に試合をする経験こそ少ないかもしれない。しかし、練習となると平日は概ね16時あたりから始まるため時間帯を気にする選手は少なく、むしろ「涼しくてやりやすかった」と口を揃える。監督たちも「いい取り組みだと思います」や「ありがたいです」と賛同していた。
そうはいっても、開会式のため代表校が集結する初日に戦うチームにとっては、「長い1日」となった。
「試合時間が決まっているので…」
第2試合に登場したセンバツ優勝校の健大高崎はこの日、4時に起床した。キャプテンの箱山遥人が淡々と話す。
「試合時間が決まっているので、いつも通り準備して臨むだけでした」
チームは開会式後に一旦、宿舎へ戻り30分ほどリラックスタイムを設けるなどして再び甲子園に戻り、そして、起床から12時間後に行われた英明との試合で1-0と引き締まったゲームを披露してくれた。この試合で英明の百々愛輝がプレー中に左足を攣らせたことで、治療のため10分ほど試合が中断されたように、夕方以降の試合であっても暑さという猛威が消えたわけではない。
第3試合を戦った岐阜城北の秋田和哉監督は、試合中に足が攣った選手がいたことを明かしたうえで「2部制」を前向きに捉える。
「普段も夜まで練習していますし、試合前から『今日は(夜の)10時まで試合をするぞ! 』と言って選手を送り出しました。結果的に足が攣る選手は出てしまいましたけど、チームはいい状態でゲームに入れました」
岐阜城北の対戦相手となる智弁学園は、開会式後に宿舎で1時間ほど仮眠を取り、夕食後にストレッチで体をほぐしてから甲子園に入った。キャッチャーの山崎光留は、「いいコンディションで試合に臨めた」と話す。
「そこまで暑くないし、プレーしにくいことはなかったです。ナイターは経験ないですけど、いつも暗いなかで自主練とかやっているんで。フライの見え方はいつもと違っていたんでちょっと気にはなりましたけど、大きな問題はなくプレーできたと思っています」
18時52分に試合が始まったナイトゲームは、両チーム合計10エラーと守備の乱れが目立った。なかでも、タイブレークとなる延長戦でバント処理のミスが多かったが、試合に勝利した智弁学園の小坂将商監督は、「2部制」とは無関係であることを強調する。
「ボールを捕る前に投げようとするから暴投とかするだけで。『捕ってから投げる』ことに集中すればいい話なんですけど、初戦の硬さが出たんじゃないですか? 最初からナイターっていうのはなかなかないですから、外野フライ、特にセンターの遠近感は昼間とは違うと伝えてはいましたけど、そこはちゃんと処理してくれましたよね」
延長11回までもつれた試合が終わったのは21時36分。これは、2021年の高川学園対小松大谷が記録した、21時40分に次ぐ遅さとなった。
最終試合の取材が終わったのは…22時過ぎ!
試合後の取材を終えた頃には、時計の針は22時を過ぎていた。選手時代に大学、社会人とプレーしていた小坂は「僕は経験がありますけど、選手は初めてだったんじゃないですか」と言い、「2部制」の意義について簡潔に私見を述べる。
「いいことだと思います。涼しいし」このように、監督はもちろん選手たちが強調していたのは「涼しさ」だった。
智弁学園のエース・田近楓雅が「攻撃の間にムシムシしていないベンチで休めるので投げやすかった」と語っていたように、ピッチャーにこそ恩恵があるように思えた。
とりわけ、「夕方の部」が1試合のみで、開始時間が明確な2日目と3日目がそうだ。8日の札幌日大戦で12奪三振の完投を演じた京都国際のエース・中崎琉生は、「うまく調整ができました」と顔をほころばせた。
最大で1日4試合を行う甲子園において、昨年までは第1試合を除けば開始時間は「予定」でしかなかった。そのため、中崎は自分たちが戦う前の試合を見ながら「この回からアップを始めよう」といったルーティンを定めていた。それが、今年は15時に球場入りをすると「15時30分からストレッチ」「16時からキャッチボール」といったタイムスケジュールを組むことができたのだという。
「前までは、自分たちの試合が始まる時間が読めないなか調整する難しさがありました。そのなかでもしっかりと調整はできてはいたんですけど、今年は開始時間がわかっていたなかでできたんで準備しやすかったです」
ピッチャーのコンディションにおける優位性について、「暑さも関係しているのではないか」と推察するのは、9日の試合で南陽工に勝利した菰野の森田亮太監督である。
150球を費やしながらも2失点完投と、上々のパフォーマンスを披露した2年生エースの栄田人逢を称えつつ、こう加えた。
「日差しや暑さへの対策はさせていたんですけど、やはりピッチャーにとっては大きかったんじゃないでしょうか。栄田は序盤で50球くらい投げましたけど(4回まで59球)、これが日中の試合だったなら、おそらくピッチング内容に違いが出てきたと思います」
敗者側からは2部制への「準備が必要」の声も
ここでは、主に勝者側の印象を取り上げているが、そこには理由がある。敗れたチームの監督や選手は悔しさが色濃く残り、試合について述べるので精一杯だったからである。そのなかで、菰野に敗戦した南陽工の山崎康浩監督は「負けてしまえば、あれもこれもと思ってしまうんですけど」と、反省材料を模索するように本音を打ち明けてくれた。
「夜に始まるのなんて、試合も練習もそんなにないでしょ。そういうところをね、今後、ちょっと考えていかないといけないかな、と。でも、応援する方にとってはいい環境だったんじゃないかな。涼しかったですしね」
大きな混乱がなく、現場からの反応が良好だった「2部制」は意義があったのだろう。改革には議論がつきものだ。
それが本当の意味での「選手ファースト」ならば、新たな取り組みはどんどん導入していくべきである。
📝甲子園〝完全ナイター開催〟が現実になる日 2部制導入も熱中症対策どうなる
https://news.yahoo.co.jp/articles/92e1372db2dccf9844215b6910f3ed1209bb8303
高校野球の「夏の甲子園」で、今年は猛暑対策として午前と夕方に分けて試合を行う2部制が導入された。5回終了時に水分補給のための休憩を取るクーリングタイムも去年から継続している。
2部制は7~9日の3日間、朝から1~2試合、夕方から2試合を実施。が、神戸市の最高気温が34・2度に達した7日、大会本部の発表によると、夕方からの2試合で選手3人の足がつった。また観客13人が熱中症となり、急きょ救護室で手当てを受けたという。
10日からは従来の1日4試合制に戻り、チケットは完売。大いに盛り上がっているが、いまだに猛暑が続く中、熱中症の増加が懸念される。
夏の甲子園における熱中症被害は今に始まったことではない。私がその怖さを目の当たりにしたのは2017年の第99回大会だ。開会式で日本高野連会長のあいさつの最中に、滝川西のプラカードを持つ市立西宮の女子高生が突然うつぶせに昏倒(こんとう)。観衆がざわめく中、大会関係者がすぐ女子を連れ出し、救護室へ運んでいる。
仙台育英―日本文理戦では、仙台育英の捕手が目まいや手足のしびれを訴え、9回の守備から交代。救急車で西宮市内の病院に運ばれた。仙台育英は予選でも同様のケースが発生している。
17年の全国の予選を調べてみると、千葉大会の開幕戦で観客約30人が熱中症となり、野球部員2人が救急搬送。熊本大会でも、観客34人が病院に運ばれている。
そうした事態を受け、翌18年の大会前には、大阪府教育委員会から高野連に試合開始時間、大会時期の変更なども含めた暑さ対策の検討が要請された。こうして開会式の前、選手とプラカード嬢に水のペットボトルを配布する対策が定着したのである。
しかし、この6年前の時点でも、対策が遅きに失した感は否めない。今大会から試合中に1度のクーリングタイムが設けられたが、埼玉ではもっと早く16年から、2度水分補給に充てる時間をつくっているのだ。
ナイター開催も17年に京都府高野連が実施している。最高気温39度の7月23日、鳥羽―立命館宇治の試合開始時間を夕方16時から夜19時1分に変更。延長11回、立命館宇治が6―5で勝ったのは22時37分だった。里井祥吾監督は「日中の試合だったら、(選手が)倒れていただろう」と吐露している。
近い将来、甲子園のナイター化も現実になるかもしれない。