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7月29日大会16日目和歌山大会決勝
智辯和歌山 4−2 近大新宮

📝大阪桐蔭「気になる今年の強さ」ライバル履正社に“衝撃のコールド勝ち”、「190cm怪物」森陽樹の登場…現地記者が聞いた“西谷浩一、取材最後のひと言”
https://news.yahoo.co.jp/articles/e985d8ccbf29eeec63e2a6dfa1afc0b9f3664473

今年の大阪大会、準決勝はライバル履正社に圧巻のコールド勝ち、決勝は「190cmの怪物」森陽樹の好投で制した大阪桐蔭。大阪大会を現地取材した記者が見た「気になる今年の強さ」。〈全2回の1回目〉

西谷監督のスゴみ「1年でリベンジ」
 
大阪桐蔭の指揮官、西谷浩一の引き出しには無数の「勝ち方」が収められているのだろう。準決勝でライバル履正社を12-2、決勝では東海大大阪仰星を3-1でいなして2年ぶりの大阪大会の頂点に立った。

「昨年の夏は決勝で敗れて、その悔しさを持ってこの大会に入りました。決勝は苦しむだろうと思いましたけど、苦しんで勝てましたので、少しずつ成長していけると思います」

相手チームを緻密に分析して、自チームの良さを出して勝ち抜く。見事な采配は、さすがは甲子園通算勝利数1位監督である。
昨年決勝のリベンジを期す履正社との準決勝は、大阪桐蔭のプライドを見た試合だった。ポテンシャルの大阪桐蔭か、試合巧者の履正社か――。

大阪桐蔭は準決勝まで、序盤にリードするも終盤に突き放せない試合が続いていた。5回戦の大商大堺戦、準々決勝の早稲田摂陵戦は大阪桐蔭らしからぬ“逃げ切る”試合といえた。
一方の履正社は昨年ほど高い能力の選手はいなかったものの、試合運びが巧い。なかでも、今年は走塁に強みを持っていた。準々決勝の大産大付戦では9盗塁をマーク、4、5回戦でもそれぞれ8、5個の盗塁を決めていた。

履正社の多田晃監督はその戦いぶりをこう話していた。「昨年のメンバーと比べると長打力は少ないので新チームの時からこういう野球を意識してきました。特にバットが変わってからはホームランが出たりもしないんで、ゴロやライナーを打って繋いでいこうと。足を絡めて投手にプレッシャーをかけてやっていこうと話してきました。準決勝までの5試合はそういった野球はできていたと思います」

5試合中4試合がコールド勝ち。失点0、失策0の戦いはまさに試合巧者と言えた。大阪桐蔭ほどのポテンシャルはなくても、相手を圧倒できる。低反発バットの影響を受ける今年は、そんな戦い方も一つの戦略と思わせる戦いを見せていたのだ。そうした中で両者は激突した。

“衝撃のコールド”はこうして生まれた…
 
試合の焦点は、履正社の足攻が大阪桐蔭の守備網にも通用するかという点、そして大阪桐蔭の打線が履正社の投手陣に対応できるかという点に絞られていた。

機先を制したのは履正社だった。先頭の近沢賢虎が四球で出塁すると、すかさず盗塁を決めた。犠打で三進、3番・足立直緒己のセカンドゴロの間に1点を先制。ノーヒットで先制点をあげる。その後1点を加え、履正社の隙のない野球が発揮されたのだった。ところが、その裏、大阪桐蔭はそれまでの戦いとはまるで見違えるかのような姿を見せた。

先頭の吉田翔輝が三遊間にゴロを転がすような左前安打で出塁、犠打で二進の後、3番の境亮陽は吉田に倣うように左前に転がすと、4番・徳丸快晴が左中間に落とす適時二塁打。さらに、内山彰梧の右前適時打、8番の増田湧太にも適時打が出て、この回一挙5点を挙げた。

この日、大阪桐蔭が見せたのは単打を強く意識したバッティングだった。徳丸の適時打は二塁打だが、ボールが落ちたコースによるもの。それを含めて同イニングの5安打中4安打がシングルヒットであったことがその証左だ。2回にも4安打に四球を絡めて6点を奪ったが、全てシングルヒットだった。

主砲の徳丸は話す。「長打が出るのはベストなんですけど、単打、単打で少しずつプレッシャーを与えて一気に得点を取っていくのをやっていこうと言っていた。みんないい形でできて良かった。履正社には昨年の夏、負けていたのでみんなで束になっていけた」

大阪桐蔭の打線は今年に限らずポテンシャルは高い。さらなる高みを目指していくべく日々取り組んでいる。大学や社会人、プロでの成功率も高く、上の舞台を見越して強く振ってきたが、低反発バットへの移行もあって、現チームは思うようなバッティングができていなかった。

事実、今大会も序盤に先制しても追加点が奪えない試合が続いていた。しかし、この日は違った。長打を捨てることを意識して、単打集中の攻撃力で得点を重ねたのだった。
1回に5点を奪っても、その手綱を緩めることはなかった。それは、履正社の戦い方も意識の中にあったからだ。

準決勝前日のミーティングで…
 
履正社のような足を使って攻める攻撃は、接戦など僅少差の戦いになると効力を発揮する。しかし、得点差が生まれてしまうと持ち味は薄れる。3点以上のビハインドの中で盗塁を決めたところで、相手の脅威にはならないからである。走力を売りにするチームの欠点といえる。徳丸は言う。

「昨日のミーティングで、西谷先生から点数が開いたら相手の足を使った野球もできなくなるから取りに行こうと。先制点は取られたけど、大きく取り返せたのは良かったと思う」

対して西谷監督の弁だ。「そういう話はしていましたけど、本当に(大量点を)取れるとは思っていなかったので、選手たちにはそういうこともあるよという話をしていました。打線は自分たちの形でなかなか打てていないところもあった。さらに、今日の球場はなかなかホームランが出ないところなので、しっかり低い打球をということで、子どもたちは上手くやってくれたと思います」

こうしてライバルの履正社に5回コールド勝ちという衝撃的な結果を呼び込んだのである。

怪物「森陽樹」が決勝先発…なぜ?
 
翻って決勝の東海大大阪仰星戦は一転して投手戦になった。徳丸は前日に引き続き、強い打球を意識して3安打をマーク。しかし、チーム全体ではフライアウトが増え、苦しい展開になった。むしろ、この日は先発した2年生右腕・森陽樹が見事にハマった。

監督の西谷は決勝戦でエースナンバーを先発させることが多いが、森を選んだ理由をこう語る。

「相手の打線を見た時に、スピードボール、つまり圧のあるボールが嫌なんじゃないかなと思いました。そこに落ちる変化球もあるので、一番ハマるのは森じゃないかなと思った。決勝戦なので行けるところまで行ってと考えて森を先発にしました」

ポテンシャルが高ければ試合に必ず勝てるわけではない。問われるのは、その活かし方だ。準々決勝までの戦いでは危うく見えた大阪桐蔭の甲子園出場。しかし、すんでのところで変化を見せて王者に返り咲いたのは見事というほかない。

甲子園は「これからの準備次第」

「これからの準備次第だと思います。メンバーも含めてチームをどう持っていくかだと思います」西谷監督は、取材の最後にそう振り返った。

こうして甲子園を決めた大阪桐蔭。一方で、今年のチームは「個人の結果で一喜一憂してしまうところがあった」と証言するのが、同校野球部の橋本翔太郎コーチだ。副主将の徳丸の目にも「冬と春はなかなかうまくいかなかった」という状況からなにが変わったのか?  後編で迫る。

📝大阪桐蔭“じつは激変している”内情…現地記者が驚いた「4番のラマルがまさかベンチに…」大阪桐蔭コーチも証言する「根尾昂の代との共通点」
https://news.yahoo.co.jp/articles/066c62be937be48f1b6855ef316aea4d5136e0ea

今年の大阪大会、準決勝はライバル履正社に圧巻のコールド勝ち、決勝は「190cmの怪物」森陽樹の好投で制した大阪桐蔭。大阪大会を現地取材した記者が驚いた「変わった王者の戦い方」。〈全2回の2回目〉

日本一が求められるチーム
 
大阪大会決勝後のインタビューで西谷浩一監督はこう宣言した。

「毎日、“日本一”ということを子どもたちと話しながらやってきています。ただ、最初から日本一を見て、勝てるほど大阪は甘くありません。今日で大阪の代表にならせていただきましたので、本気の本気で日本一を目指して大阪に優勝旗を持って帰りたいと思っています」

大阪桐蔭は常に日本一が求められるチームである。チームの力量は年度によって変わるが、それでも「1番を目指す」というのが変わらぬ方針だ。

とはいえ、毎年思うようにいくわけではない。昨年はエース前田悠伍(ソフトバンク)を擁しながら、大阪大会の決勝で履正社に敗れた。チームとして一つになりきれずにライバルに苦杯を喫した。

「履正社との試合でしか去年の負けを取り返せない。去年は粘ることすらできないまま何もできずに敗れて、今年は粘り強さを意識してきた。長打を打つことよりかは低く強い打球を心がける。軽打とは言わないですけど、しっかり鋭いスイングで鋭い打球を飛ばすって意識でやってきた。最後にいい形を出せたと思う」

下級生時から主軸を担う徳丸快晴は力強く語った。

長打狙いから単打へ…記者が驚いた変化
 
それにしても、である。これほど大会中に変わるチームも珍しい。準決勝の履正社戦は、それまでとはまるで異なるチームだった。

「去年の悔しさ、それもあったと思います。今年は個人の結果で一喜一憂してしまうところがありましたけど、チームで勝とうと。それを徹底できたと思います」

そう語るのは大阪桐蔭のコーチを務める橋本翔太郎だ。試合前のシートノックを担当する橋本は、2004年春の選抜にも出場した西谷監督の門下生の一人だ。選手として、指導者として大阪桐蔭の野球を熟知している。

「やっぱり、勝っている世代って徹底できたチームなんですよね。2018年の根尾昂(中日)の世代もそうですけど、2014年の中村誠(現コーチ)の時も、やることをチームとして徹底できた。履正社との試合は本当に、相手にも学ばせてもらいました。低反発(のバット)でなかなか打てない中で、単打、単打で出塁していこうという姿勢はウチも意識させてもらった」

ラマルの吐露「(新基準バットは)難しいなと」
 
大阪桐蔭は、プロで活躍する選手たちを見ればわかるように、フルスイングをする選手が多い。現チームも押し並べてそういう傾向があった。もっとも、それは悪いことではない。「理想としては低反発バットでもいつも通りのバッティングができるようにしたい」というのは指揮官、チームが目指すところである。

ただ、トーナメント戦を勝ち抜いていく上では、現状の力を理解して戦っていかなければいけないのも事実だ。今春から取り入れられている新基準バットへの対応は、大阪桐蔭といえど一筋縄ではいかない。本来は4番を打つラマルがスタメンを外れているのがその象徴だ。

「しっかりと捉えることができれば打球は飛ぶんですけど、変化球などを意識した時に難しいなというのは感じています」

準々決勝の早稲田摂陵戦で追加点となる本塁打を放ったラマルは低反発バットへの対応の難しさを吐露している。ただ一方で「チームとしてできることがあるので」と大会終盤はベンチに控えチームの勝利のために貢献していた。

チームとして徹底した打撃をするために、準決勝から打線を変更したこともチームを大きく変えた。決勝のキーマンになったのは5回戦の大商大堺戦で2番だった吉田翔輝だ。

大阪桐蔭のキーマン「吉田翔輝」とは何者か?
 
今春のセンバツでもレギュラーだった吉田だが、6月の招待試合で左足を疲労骨折。実は5回戦までの1カ月間、戦列を離れていた。ブランクがあった中で、「俺を出してくれというのが感じられた」と西谷監督は5回戦からの復帰を決めたが、本来は2番だった吉田を履正社戦から1番に起用。これがチームを大きく前進させた。

現役時代は2番打者だった橋本コーチが内情を明かす。「大阪桐蔭の2番はいろんな使い方がされていると思います。当然、西谷先生も、僕の時とは考え方が変わっていると思いますけど、その時の構成によって変えている。僕はバントやエンドランをするタイプ。2018年の青地(斗舞)なんかもそう。理想は2014年に優勝した時の峯本(匠)ですかね。吉田は2番ですけど、1番も打てるんで、その時の状況によって打順は変えていくと思います。履正社戦は3番から境(亮陽)と徳丸と内山(彰梧)を並べたら、そこに警戒すると思うので、それを生かしたかった。だから、吉田にはなんとしても出塁をしてもらうという話でしたね」

履正社戦は1回表に2点を先取される苦しい展開だったが、直後の1回裏、吉田の左前安打を皮切りに、3、4、5番の3連打で同点に追いついた。吉田が出塁して、打線が徹底して単打を連ねた結果だった。指揮官の「クリーンアップで圧をかけたかった」という考えが橋本コーチとも合致し、打順がうまく機能した。

根尾昂世代との共通点

「2018年の時も最初は、1番を藤原恭大(ロッテ)が打っていたんですけど、宮崎仁斗を1番にして、4番に藤原を置いて、中川(卓也)と根尾で前後を固めた。それと似たような形になりましたよね。チームとして戦い方が徹底できたんで、履正社戦はすごく自信になったと思います」

決勝ではやや苦しんだ。履正社戦よりはフライアウトが多く、それはまだチームとしての打撃が発展途上であることを窺わせた。主砲の徳丸は、こういって甲子園への意気込みを見せた。

「選手はそれぞれに低反発バットに対する考え方はあると思うんですけど、チームとして、強い打球を打つことを心がけてやってきた。冬と春はなかなかうまくいかなかったけど、夏に入る前の強化練習などで、自分の打ち方が徐々にわかってきた。掴んだ感じはある。ここで満足するんじゃなくて、甲子園で結果を残したい。チームを勝たせられたらと思う」

徹底力で挑む2年ぶりの夏。大阪桐蔭が話題を集めそうだ。

📝猛暑でも甲子園開催あるのみ 世間が「札幌ドームを使え」と提言しても変わらない理由
https://news.yahoo.co.jp/articles/684609b50cb9e613d55e5eb7fc911a4287e94dd0

異次元に暑い夏。テレビやスマホの画面には繰り返し「熱中症情報 極めて危険 外出を控えて 運動は中止を」とのメッセージが表示されています。

しかし、この声がなかなか届かないのが、夏の高校野球です。酷暑の中でも地方大会は開催され、49地区の代表校が決定。8月7日からは甲子園球場で熱戦の火ぶたが切られます。

例年、夏の甲子園大会における「暑さ対策」は充実の一途を辿っています。昨夏からは5回終了後に「クーリングタイム」が導入され、選手たちはベンチ裏で10分間、クーラーや送風機が置かれた冷涼なエリアで休息できることになりました。

今年からは、開幕からの3日間について、気温が上がる時間帯を避け、試合を午前と夕方に分けて行う2部制の導入が決定。主催者側は補食の用意など、さらに熱中症対策を進めていく方針です。

ここで一つ疑問が浮かびます。様々な暑さ対策を講じなくても、ドーム球場を利用すれば、全ての課題は解決されるのではないか-。

SNS上では、北海道日本ハムファイターズがエスコンに本拠地を移転したことから、札幌ドームのスケジュールが空いている点に着目し、「夏の高校野球選手権大会を甲子園から札幌ドーム開催にすれば、全て解決できるのでは」との声も寄せられています。

しかしスポーツ紙のデスクは首を横に振り、こう語るのです。「甲子園ではなくドーム球場へ、というのは高校野球の現場から遠い識者の意見でしょう。高校野球に携わる球児や指導者にとっては、『聖地』甲子園球場で戦うことに意義があるからです。クーラーの効いたドーム球場で涼しいからいいでしょう、という話ではないんです」

そして、こう続けます。「阪神園芸の職人たちが精魂込めて整備した黒土と芝生のグラウンド。そして澄み渡る青い夏空。ブラスバンドの音色と声援が響くアルプススタンド。一度、足を踏み入れたら分かると思うんですが、あの世界観は甲子園球場でしか成立しないものです。当事者たちの強い希望がある以上、『会場をドーム球場に』というのは現実問題、選択肢に入らない。『甲子園でいかに安全に行うか』をさらに、模索していくことになるでしょう」

まずはこの夏、高校球児たちが熱中症などに苦しむことがないよう、安全な大会運営を願うばかりです。

☟《酷暑の試合は限界か》夏の高校野球で足がつる選手が続出、熱中症対策はもはや付け焼き刃 審判や応援の生徒らも倒れる事態に
https://news.yahoo.co.jp/articles/ed61e46913269f8713f98a482b3c62fdd2b70342?page=1

日本の観測史上もっとも暑い夏(6~8月)だった2023年の翌年なら、少しは暑さがおだやかなのではないかとの期待も虚しく、2024年も「十年に一度」レベルの猛暑がやってきている。熱中症警戒アラートが発令され「外出は控えて」「屋外での運動はやめて」などの呼びかけが行われる一方で、夏の甲子園大会を目指す予選が全国各地で行われている。クーリングタイムの導入など様々な対策がとられているが、実際に試合に関わる当事者たちはどう思っているのか。高校野球観戦を続けているライターの宮添優氏がレポートする。

高校野球、夏の甲子園大会がいよいよ開幕する。全国の厳しい予選を勝ち抜いてきた代表校による、灼熱の中での熱い戦いは、いつの時代でも見る者を感動させてきたが、この数年の「暑さ」はワケが違う。関東南部にある公立高校野球部のS監督(50代)が訴える。

「試合に負けてしまったのは仕方ありませんが、最後の最後、守備の選手の足がつってボールを追いかけることができず、そのまま敗戦でした。このような環境じゃなければ、もう少し長く、子供達も野球ができたのではと思ってしまう。選手だけでなく、応援席の生徒、観客のことを考えても、開催時期についていい加減、しっかり対策をとる時期になっているのではないかと思います」

S監督が率いるチームは、予選で強豪私立校にコールド負けを喫した。コールドが決まった最後の一点は、大きく打ち上がったボールを追いかけた外野手の足がつり、その場に倒れ込んでしまったことで失った。確かに負けたことは事実だが、コールド負けは想定外だったとうなだれる。力が及ばなくても、少しでも長く野球をしたいのが当事者の本音だろう。

「その試合の日は、朝から気温が30度を超えていました。我々だって暑さ対策も考慮した練習をしていますが、それでも両チームに、足がつる選手が続出。3回ごとに“給水タイム”はありますが、それでも両チームで7人の足がつって、治療時間など含めて30分以上かかったんです」(S監督)

S監督によれば、本番の暑さ対策に、ユニフォームの下に履くストッキングを二枚重ねにしたり、分厚い練習着を着るなど、暑さに慣れるための考えられる様々な対策を実施してきた。だが、年を重ねるごとに「対策が無駄ではないか」と考え、人間が慣れるにも限界があると思うようになった。

見る側、応援する側としても辛い
 
直前に行われた別の試合でも、やはり両チームに同様の選手が続出していた。救護が必要なのは弱小校の選手だけでなく、大きな負荷をかけた練習を重ねて鍛えた選手がそろう強豪校であっても、関係無く起きている。そんな様子を見たS監督は、こんな条件で試合をしても「もはやまともな野球ができない、練習の成果を発揮できない」と感じたという。

たった30分の中断で復帰できるなら、中止を検討するほどではないのではと思うかもしれない。だが、ちょうどその時、応援席にいたチームの保護者が振り返るのは「ここは本当に学生スポーツ大会の会場か?」というような惨状だった。

「とにかく暑く、チアリーダーの女子生徒や、吹奏楽の子どもたちは(応援が必要な)攻撃回が終わると、バタバタ倒れるんです。意識が朦朧としたチアの子が、お友達に抱えられて席から離れると、頭から水をかぶせられたり、頬を叩かれて会話ができるか、確認されていました。こういう言い方が適切なのかは分かりませんが、戦場とはこういう感じではなのかと思うほどで、その後、回が始まるとまたフラフラ席に戻ってなんとか応援していました。選手も足がつったり倒れたりして大変ですが、応援席はずっと日向にいなきゃいけない。観客の中にも、途中で気分が悪くなり、病院に行った人もいた。見る側、応援する側としても辛いです」(チームの保護者)

対戦相手の応援席でも、倒れる生徒や保護者が相次いだという。その試合で救急車が呼ばれることはなかったが、観戦したために病院へ行くことになってしまった人は、2人や3人では済まないはずだと話す。また、別の日に行われた試合では、審判があまりの暑さにダウンし、試合が一時中断される事態も起きたという。選手や生徒、保護者だけでなく、皆が苦しんでいるというのが実情だ。

懸案の解決スピードはこれでいいのか
 
高校野球では近年、長らく課題とされてきたことが次々と改訂されており、これからも変更が続く予定だ。若く、発展途上の選手に負担が大きすぎると言われ続けてきた、投手の投げすぎ防止への効果を期待して、2020年春には1週間500球の投球数制限が導入された。2024年は、以前から告知されていた金属バットの規格が変更となるだけでなく、マウンドへ行き投手へ声をかける回数が制限され、投手の二段モーションが解禁となった。

さらに、異常な夏の暑さも問題視され、開催時期や試合の実施時刻などについて再検討をすべきという声がこの数年、特に高まっていた。試合中の給水タイムや、足がつるなどした選手に代わる臨時代走が認められるようになったのは、そうした懸念を払拭するためのものだったに違いない。だが、選手や生徒、保護者の生の声を聞き、そして実際に球場に行ってみると、こうした施策は、現状では付け焼き刃にすらなっていないのが実態である。

なお筆者は、今夏の高校野球大会は、東西東京と神奈川、埼玉と千葉、そして茨城で行われた十数試合を観戦したが、その全ての試合で、足がつって動けなくなる選手がいて、倒れてしまう応援の生徒たちがいた。給水タイムや臨時代走などの措置がとられていることが、高校生たちの健康に配慮していることばかりが強調されているが、現行通りの試合スケジュールを維持するための言い訳にしているのではないかとすら思えてくるのだ。
2024/07/31(水) 21時54分41秒 No.1303 編集 削除