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📝高校野球の部活動中に打球が左目直撃、視力ほとんど失う後遺症…県が5700万円支払いで和解へ
https://news.yahoo.co.jp/articles/08f2a7e62677ac4d58f455addef56353896c3444
鳥取県立米子東高の野球部員だった男性が、部活動中の事故で後遺症が残ったのは監督らが安全対策を怠ったからだとして、県に約5200万円の損害賠償を求めた訴訟で、県は5700万円を支払い和解する方針を固めた。24日開会の県議会定例会に提案する議案の議決を経て正式に和解する。
昨年7月の岡山地裁判決などによると、2019年6月、男性がバッティングマシンに球を入れていた際、打球が防球ネットの隙間を通り抜け、左目を直撃。視力をほとんど失う後遺症が残った。地裁は、監督らが対策を講じていなかったとして、県に約3800万円の支払いを命じ、男性側、県側双方が広島高裁岡山支部に控訴していた。
県教育委員会体育保健課は「係争中のため回答を差し控える」としている。
🎁新ピッチングマシンで打撃力強化 昴高野球部 OBや地元「応援する会」が寄贈
https://news.yahoo.co.jp/articles/7c16af28d1f34b4c0a1883ecbcfec3287f34446e
65人所属、甲子園への強い味方に
三重県多気郡大台町茂原の県立昴学園高校野球部を支える「昴学園野球部を応援する会」(南岩男会長、約300人)はこのほど、野球部にピッチングマシン(以下、マシン)を贈呈した。1日午前10時から贈呈式が行われ、甲子園を目指す同校野球部に心強い味方が加わった。
同会は野球部の甲子園出場という目標達成に向け「練習環境の充実と技術向上の役に立ちたい」と、同校の前身の県立荻原高校野球部のOBや地元住民らが集まり2021(令和3)年度に発足。これまで遠征バスの寄贈をはじめ、さまざまな支援をしている。
同野球部には現在1、2年合わせて65人が所属している。マシンは2台あるが、部員数の多さに対応した練習効率の向上と打撃力の強化が課題になっていた。そこで、同部が希望していた3台目のマシンが贈られることとなった。マシンは約180万円。ボール約120個を収容でき、自動でボールを射出して、カーブなどの変化球や150キロ以上の速球も投げることができる。
この日の贈呈式では3年生を含めて全部員の前で南会長からマシンが贈られた。東監督(48)は「今回の贈呈により、練習の効率が上がり、チームの打撃力のレベルアップが期待できる」と話した。
マシンは4日以降の練習から本格的に活用されている。
📝なぜ偏差値68“フツーの公立校”があの智弁学園を「7回コールド」圧倒できた?「集中よりも観察」《高市早苗首相の母校》畝傍高野球部が躍進中のワケ
https://news.yahoo.co.jp/articles/5743d6e09099c4a4d4f5f627438e9eb7671d7aff
甲子園に出場したことのない畝傍高校は、「甲子園1勝」の目標を掲げている。達成できると信じ、日々邁進できる理由に、奈良県には智弁学園、天理と全国的な強豪として名を馳せる存在が君臨していることが大きい。
「超強豪校」相手に善戦する公立校の存在
近年は両校が覇権を二分するとあって難攻不落を固持するが、畝傍が勇気を持ち続けられるのは、自分たちと同じ文武両道にプライドを持つ進学校のレベルの高さである。2019年秋の3位決定戦で奈良高校が天理に1-2と肉薄。24年秋には郡山高校が智弁学園に9-13と敗れたものの、終盤までリードする善戦だった。
公立校と2強との戦績をたどれば、どちらかと言えば一方的な敗戦ばかり。それでも「打倒」を標榜できるのは、彼らがそれぞれ刺激を受け、勝利への希望を抱けるからだ。監督の雀部尚也が、同じ境遇で切磋琢磨するライバルを称えるように気を吐く。
「全国で上位に勝ち上れるチームが身近にいて『もしかしたら、あと一歩でひっくり返せる』という試合を、たくさんの公立校さんがやってくれてはるんで。『自分たちも不可能じゃない』という気持ちがうちもモチベーションになっていますし、智弁さん、天理さん、それに奈良大附属さんの牙城を崩していくっていうのが、楽しみっていうわけじゃないですけど、大きな目標にはなっています」
奈良で2強をはじめとする強豪と対等に渡り合う。しかし、そのために雀部は「特別なことはしていない」と言う。畝傍が普段から心掛けていることは、「当たり前の基準を高める」ことだ。
日々のトレーニングの質にこだわることは言うまでもない。練習試合でも、県外の手練れたちと白球を交えることで「自分たちのやってきたことがどれだけ通用するのか?」「どのように食らいつけば勝負になるのか?」と、常に俯瞰してチームを見る。
これらを踏まえ雀部がチームに求めるのは、精神の安定だ。24年秋の生駒高校との初戦で序盤から優位に試合を運びながら、中盤以降に追いつめられるとあたふたしてしまい、最終的に逆転負けを喫した。その教訓から「気持ちを上げすぎて戦ったらアカン」と、試合中の心の持ちようでも当たり前のレベルを上げた状態で戦うことを意識させている。
昨春には王者・智弁学園に「コールド勝ち」の衝撃
畝傍の地に足を付けた歩み。大きな成果となって結実したのが、昨年春の3回戦だ。智弁学園を相手に、8-1の7回コールドというセンセーショナルな勝利を飾ったのである。特別なことをしない畝傍が大物食いを果たせたのは、日常の具現化だった。
試合前のデータ収集は、他のチームと同じように手を尽くす。登板が予測されるピッチャーの特徴をまとめ「どの球を絞っていくか?」と分析する。バッターならば得意球や打球傾向などを整理しながら、配球や守備のシフトを練っていく。
この試合、2回に5連打を含む7本の長短打を集めて大量6点を先取できたのは、事前準備の賜物であったことは確かだ。雀部は「あの子らが感じたことをやってくれたのと、ラッキーなヒットが重なっただけ」と謙遜するが、相手が抱いた印象は異なる。智弁学園を率いる小坂将商は、畝傍の執拗な攻撃にこう目を丸くするのだ。
「別にうちは手を抜いていたわけじゃなくて。その日、一番よかった村上(雄星)を先発にしたんですけど、外のボールを逆方向にコンコンって、よう打たれてしまいました」
コースに逆らわずに打つ。それは野球における鉄則ではあるが、雀部にそのことを向けると「そんなには言ってないんですけどね」と、かぶりを振る。これ以上に畝傍が徹底していたのは、これもセオリーであるファーストストライクを積極的に打つことだった。強豪のピッチャーとはいえ、深層心理としてはボール先行を避けるために初球からストライクを投げてくることが多い。力が劣るチームとなると、どうしてもファウルで粘り球数を投げさせたり、フォアボールを狙ったりしがちだが、雀部は先手必勝で活路を開く。
「練習試合からレベルの高いチームと試合をさせていただくなかで、追い込まれると簡単には打たせてもらえないことはわかっているんで。うちはそんなに打てるチームではありませんけど、この年の前のオフから体を作ってきたなかで、春からファーストストライクをしっかりスイングすることを課題にしてきました。なので、多少はピッチャーの球数が少なくなろうが、そこを狙いにいかないといけないだろう、と。そこはあの子らも試合で自覚しながら動いてくれたと思います」
畝傍にとって大きすぎる6点。強豪相手に「勝てるかもしれない」と一気呵成の雰囲気になってもいいところ、彼らはすぐに冷静さを取り戻す。智弁学園戦でセカンドを守っていた日比克が選手心理を明かす。
「正直、ふわふわしていたというか『信じられへん』って感じでしたね。でも、点を取ってからは攻撃よりも守備のほうに気持ちを切り替えて。『落ち着いて、1個ずつアウトを取っていこう』って、みんなで声を掛け合いながら自分たちの野球ができたと思います」
守備での声掛けにおいて、選手はよく「集中」という言葉を用いる。実際はなかなか抽象的であり、集中の概念は人それぞれだ。畝傍の選手たちは、それよりも「観察」を重要視する。事前にまとめたデータが頭に入っているし、試合中もベンチで共有はする。しかし、彼らにとってそれはひとつの判断材料に過ぎず、実際は起こっている現実と向き合う。だからこそ、曖昧な「集中」という言葉にも裏付けと説得力が生まれるのである。
「結局は、その日の調子で動きが変わってくる」
セカンドを守っていた日比がチームを代弁する。
「結局は選手も、その日の調子やったりで動きが変わってくるんで。だから1球、1球に対してバッターのタイミングの取り方とかスイングを見ながら、『いつもなら流してくるコースやけど、引っ張ってきそうやな』と感じたら、サードとレフトにラインを締めるように伝えるとか。ポジショニングは声掛けをしながら共有できていると思います」
この試合でも守備陣の見えないプレーが光った。そのことで先発したエースの木村昌哉のテンポが安定し、ストレートと同じ腕の振りで投げられる、持ち味のスライダーも智弁学園打線の打ち気を効果的に逸らしていく。畝傍は4回にも2点を追加するなど、監督が「打てるチームではない」と評する打線は12安打の猛打を浴びせた。木村も5回に1点を返されはしたものの、強打で知られる智弁学園をわずか4安打に抑えて完投した。智弁学園相手では、12年夏の準決勝以来のジャイアントキリング。選手たちが刻んだ深い足跡を、監督は簡潔に称賛する。
「自分たちが考えて動いて勝てたというのは、すごく自信に繋がると思います」
畝傍の成功体験は、夏にも生かされる。3回戦で高田高校に逆転勝利を演じ、10年ぶりとなるベスト8。準々決勝では春と同じく強豪私立の一角である奈良大附と対峙し6-7で敗れたが、8回と9回に2点ずつを上げる驚異の猛追は、春の智弁学園戦でのコールド勝ちが偶然ではないことを改めて印象付けた。
智弁の監督から「畝傍に勝たないと年を越せない」
自信が増し、結果も出る。それでも一筋縄ではいかないのが、甲子園への道である。
昨年の秋。畝傍は初戦で智弁学園と再び相まみえ、プロ注目の左腕エース・杉本真滉から18奪三振を喫するなど0-5で圧倒された。とはいえ、相手監督の小坂が「畝傍に勝たないと年を越せないと思っていた」と語っていたように、全国でも指折りの強豪から「強者」として認められた敗戦でもあったのだ。このような相手からの敬意が、また畝傍を強くする。下級生から中心選手であるキャプテンの日比が、新たな向上心を打ち出す。
「甲子園でも優勝を狙える智弁学園に大差で負けて、実力も体格の差も痛感しましたし『全然、甲子園のレベルじゃないな』とも思えたんで。そういうチームとまたちゃんと戦えるように、オフから『みんなでレベルアップしよう』という目標を掲げてやっています」
日比が言うように、秋に近畿大会で準優勝した智弁学園は、出場校に選ばれた今年のセンバツでは優勝候補のひとつに挙げられるはずだ。畝傍からすれば、それは願ってもない成長の契機となる。
「センバツで智弁さんが勝ち上がってくれれば、たくさんの試合を見ることができますから。そこからしっかり学びたいと思います」
監督が不敵に呟く。畝傍の「当たり前の基準」が、またワンランク上がった。
📝<春風に乗って>’26センバツ 三重 出場決定までの軌跡/下 粘りと信頼、チーム成長
https://news.yahoo.co.jp/articles/5bf0d6d707245e1bec4c4bf86d8c44acd2e84a6e
グラウンドの内外で「変化」したチームは秋を迎えて県大会を制したことで、東海大会に進んだ。他県の強豪を相手に、投打に成長した姿を見せた。
初戦となった2回戦で常葉大菊川(静岡)と対戦した。沖田展男監督が「よく打つ打線」と警戒していた相手に、二回に4長短打に2四球1盗塁を絡めて5点を先取し、試合の主導権を握った。投手陣も踏ん張り、本塁打を含む13安打を許しながら、上田晴優、吉井海翔、古川稟久(いずれも2年)による継投で4点に抑えた。
続く聖隷クリストファー(静岡)との準決勝も10―2で七回コールド勝ち。勢いに乗って進んだ決勝の相手は中京大中京(愛知)だった。
甲子園で春夏合わせて11回の優勝を誇る古豪に一回に3点を奪われた。追いかける展開のまま終盤を迎えても、選手たちは諦めていなかった。
3点を追う九回、先頭の水野史清(1年)は気迫あふれるヘッドスライディングで一塁へ滑り込み、内野安打で出塁した。「何が何でも塁に出てやると、強い気持ちで打席に立った。後ろにつなげれば先輩たちがつなげてくれると信じていた」と水野の思いに応えるように福田篤史(2年)が中越え適時三塁打で、秋山隼人(2年)も右前適時打で続き、1点差に詰め寄った。
勢いは止まらない。さらに2死三塁から、前野元佑(1年)が右中間適時三塁打を放った。土壇場で打線がつながり、ついに追い付いた。
試合はタイブレークの延長に入り、最後は力尽きた。敗れたとはいえ、沖田監督は「粘り強く戦い抜くことを選手たちに学んでほしかった。試合でしか分からないことがあるはずだ。総合力がこの試合で上がった」と手応えを感じていた。
課題も残った。大西新史主将(2年)は普段対戦の少ない投手を相手にして、「簡単に追い込まれないようにするにはどうしたら良いのか」と考えた。主将という立場でも「どこで声かけすればいいのか」と仲間を鼓舞することをより意識するようになったという。
センバツ出場は決まった。大西主将は「僕たちは打力は決して高くないが、経験値を積むことはできる。細かいミスをしないで、できることをすれば、僕たちらしいつなぐ泥臭い野球をできるはず」と話した。秋の実りを春の甲子園につなげるため、寒い冬場も地道に練習を続ける。
https://news.yahoo.co.jp/articles/08f2a7e62677ac4d58f455addef56353896c3444
鳥取県立米子東高の野球部員だった男性が、部活動中の事故で後遺症が残ったのは監督らが安全対策を怠ったからだとして、県に約5200万円の損害賠償を求めた訴訟で、県は5700万円を支払い和解する方針を固めた。24日開会の県議会定例会に提案する議案の議決を経て正式に和解する。
昨年7月の岡山地裁判決などによると、2019年6月、男性がバッティングマシンに球を入れていた際、打球が防球ネットの隙間を通り抜け、左目を直撃。視力をほとんど失う後遺症が残った。地裁は、監督らが対策を講じていなかったとして、県に約3800万円の支払いを命じ、男性側、県側双方が広島高裁岡山支部に控訴していた。
県教育委員会体育保健課は「係争中のため回答を差し控える」としている。
🎁新ピッチングマシンで打撃力強化 昴高野球部 OBや地元「応援する会」が寄贈
https://news.yahoo.co.jp/articles/7c16af28d1f34b4c0a1883ecbcfec3287f34446e
65人所属、甲子園への強い味方に
三重県多気郡大台町茂原の県立昴学園高校野球部を支える「昴学園野球部を応援する会」(南岩男会長、約300人)はこのほど、野球部にピッチングマシン(以下、マシン)を贈呈した。1日午前10時から贈呈式が行われ、甲子園を目指す同校野球部に心強い味方が加わった。
同会は野球部の甲子園出場という目標達成に向け「練習環境の充実と技術向上の役に立ちたい」と、同校の前身の県立荻原高校野球部のOBや地元住民らが集まり2021(令和3)年度に発足。これまで遠征バスの寄贈をはじめ、さまざまな支援をしている。
同野球部には現在1、2年合わせて65人が所属している。マシンは2台あるが、部員数の多さに対応した練習効率の向上と打撃力の強化が課題になっていた。そこで、同部が希望していた3台目のマシンが贈られることとなった。マシンは約180万円。ボール約120個を収容でき、自動でボールを射出して、カーブなどの変化球や150キロ以上の速球も投げることができる。
この日の贈呈式では3年生を含めて全部員の前で南会長からマシンが贈られた。東監督(48)は「今回の贈呈により、練習の効率が上がり、チームの打撃力のレベルアップが期待できる」と話した。
マシンは4日以降の練習から本格的に活用されている。
📝なぜ偏差値68“フツーの公立校”があの智弁学園を「7回コールド」圧倒できた?「集中よりも観察」《高市早苗首相の母校》畝傍高野球部が躍進中のワケ
https://news.yahoo.co.jp/articles/5743d6e09099c4a4d4f5f627438e9eb7671d7aff
甲子園に出場したことのない畝傍高校は、「甲子園1勝」の目標を掲げている。達成できると信じ、日々邁進できる理由に、奈良県には智弁学園、天理と全国的な強豪として名を馳せる存在が君臨していることが大きい。
「超強豪校」相手に善戦する公立校の存在
近年は両校が覇権を二分するとあって難攻不落を固持するが、畝傍が勇気を持ち続けられるのは、自分たちと同じ文武両道にプライドを持つ進学校のレベルの高さである。2019年秋の3位決定戦で奈良高校が天理に1-2と肉薄。24年秋には郡山高校が智弁学園に9-13と敗れたものの、終盤までリードする善戦だった。
公立校と2強との戦績をたどれば、どちらかと言えば一方的な敗戦ばかり。それでも「打倒」を標榜できるのは、彼らがそれぞれ刺激を受け、勝利への希望を抱けるからだ。監督の雀部尚也が、同じ境遇で切磋琢磨するライバルを称えるように気を吐く。
「全国で上位に勝ち上れるチームが身近にいて『もしかしたら、あと一歩でひっくり返せる』という試合を、たくさんの公立校さんがやってくれてはるんで。『自分たちも不可能じゃない』という気持ちがうちもモチベーションになっていますし、智弁さん、天理さん、それに奈良大附属さんの牙城を崩していくっていうのが、楽しみっていうわけじゃないですけど、大きな目標にはなっています」
奈良で2強をはじめとする強豪と対等に渡り合う。しかし、そのために雀部は「特別なことはしていない」と言う。畝傍が普段から心掛けていることは、「当たり前の基準を高める」ことだ。
日々のトレーニングの質にこだわることは言うまでもない。練習試合でも、県外の手練れたちと白球を交えることで「自分たちのやってきたことがどれだけ通用するのか?」「どのように食らいつけば勝負になるのか?」と、常に俯瞰してチームを見る。
これらを踏まえ雀部がチームに求めるのは、精神の安定だ。24年秋の生駒高校との初戦で序盤から優位に試合を運びながら、中盤以降に追いつめられるとあたふたしてしまい、最終的に逆転負けを喫した。その教訓から「気持ちを上げすぎて戦ったらアカン」と、試合中の心の持ちようでも当たり前のレベルを上げた状態で戦うことを意識させている。
昨春には王者・智弁学園に「コールド勝ち」の衝撃
畝傍の地に足を付けた歩み。大きな成果となって結実したのが、昨年春の3回戦だ。智弁学園を相手に、8-1の7回コールドというセンセーショナルな勝利を飾ったのである。特別なことをしない畝傍が大物食いを果たせたのは、日常の具現化だった。
試合前のデータ収集は、他のチームと同じように手を尽くす。登板が予測されるピッチャーの特徴をまとめ「どの球を絞っていくか?」と分析する。バッターならば得意球や打球傾向などを整理しながら、配球や守備のシフトを練っていく。
この試合、2回に5連打を含む7本の長短打を集めて大量6点を先取できたのは、事前準備の賜物であったことは確かだ。雀部は「あの子らが感じたことをやってくれたのと、ラッキーなヒットが重なっただけ」と謙遜するが、相手が抱いた印象は異なる。智弁学園を率いる小坂将商は、畝傍の執拗な攻撃にこう目を丸くするのだ。
「別にうちは手を抜いていたわけじゃなくて。その日、一番よかった村上(雄星)を先発にしたんですけど、外のボールを逆方向にコンコンって、よう打たれてしまいました」
コースに逆らわずに打つ。それは野球における鉄則ではあるが、雀部にそのことを向けると「そんなには言ってないんですけどね」と、かぶりを振る。これ以上に畝傍が徹底していたのは、これもセオリーであるファーストストライクを積極的に打つことだった。強豪のピッチャーとはいえ、深層心理としてはボール先行を避けるために初球からストライクを投げてくることが多い。力が劣るチームとなると、どうしてもファウルで粘り球数を投げさせたり、フォアボールを狙ったりしがちだが、雀部は先手必勝で活路を開く。
「練習試合からレベルの高いチームと試合をさせていただくなかで、追い込まれると簡単には打たせてもらえないことはわかっているんで。うちはそんなに打てるチームではありませんけど、この年の前のオフから体を作ってきたなかで、春からファーストストライクをしっかりスイングすることを課題にしてきました。なので、多少はピッチャーの球数が少なくなろうが、そこを狙いにいかないといけないだろう、と。そこはあの子らも試合で自覚しながら動いてくれたと思います」
畝傍にとって大きすぎる6点。強豪相手に「勝てるかもしれない」と一気呵成の雰囲気になってもいいところ、彼らはすぐに冷静さを取り戻す。智弁学園戦でセカンドを守っていた日比克が選手心理を明かす。
「正直、ふわふわしていたというか『信じられへん』って感じでしたね。でも、点を取ってからは攻撃よりも守備のほうに気持ちを切り替えて。『落ち着いて、1個ずつアウトを取っていこう』って、みんなで声を掛け合いながら自分たちの野球ができたと思います」
守備での声掛けにおいて、選手はよく「集中」という言葉を用いる。実際はなかなか抽象的であり、集中の概念は人それぞれだ。畝傍の選手たちは、それよりも「観察」を重要視する。事前にまとめたデータが頭に入っているし、試合中もベンチで共有はする。しかし、彼らにとってそれはひとつの判断材料に過ぎず、実際は起こっている現実と向き合う。だからこそ、曖昧な「集中」という言葉にも裏付けと説得力が生まれるのである。
「結局は、その日の調子で動きが変わってくる」
セカンドを守っていた日比がチームを代弁する。
「結局は選手も、その日の調子やったりで動きが変わってくるんで。だから1球、1球に対してバッターのタイミングの取り方とかスイングを見ながら、『いつもなら流してくるコースやけど、引っ張ってきそうやな』と感じたら、サードとレフトにラインを締めるように伝えるとか。ポジショニングは声掛けをしながら共有できていると思います」
この試合でも守備陣の見えないプレーが光った。そのことで先発したエースの木村昌哉のテンポが安定し、ストレートと同じ腕の振りで投げられる、持ち味のスライダーも智弁学園打線の打ち気を効果的に逸らしていく。畝傍は4回にも2点を追加するなど、監督が「打てるチームではない」と評する打線は12安打の猛打を浴びせた。木村も5回に1点を返されはしたものの、強打で知られる智弁学園をわずか4安打に抑えて完投した。智弁学園相手では、12年夏の準決勝以来のジャイアントキリング。選手たちが刻んだ深い足跡を、監督は簡潔に称賛する。
「自分たちが考えて動いて勝てたというのは、すごく自信に繋がると思います」
畝傍の成功体験は、夏にも生かされる。3回戦で高田高校に逆転勝利を演じ、10年ぶりとなるベスト8。準々決勝では春と同じく強豪私立の一角である奈良大附と対峙し6-7で敗れたが、8回と9回に2点ずつを上げる驚異の猛追は、春の智弁学園戦でのコールド勝ちが偶然ではないことを改めて印象付けた。
智弁の監督から「畝傍に勝たないと年を越せない」
自信が増し、結果も出る。それでも一筋縄ではいかないのが、甲子園への道である。
昨年の秋。畝傍は初戦で智弁学園と再び相まみえ、プロ注目の左腕エース・杉本真滉から18奪三振を喫するなど0-5で圧倒された。とはいえ、相手監督の小坂が「畝傍に勝たないと年を越せないと思っていた」と語っていたように、全国でも指折りの強豪から「強者」として認められた敗戦でもあったのだ。このような相手からの敬意が、また畝傍を強くする。下級生から中心選手であるキャプテンの日比が、新たな向上心を打ち出す。
「甲子園でも優勝を狙える智弁学園に大差で負けて、実力も体格の差も痛感しましたし『全然、甲子園のレベルじゃないな』とも思えたんで。そういうチームとまたちゃんと戦えるように、オフから『みんなでレベルアップしよう』という目標を掲げてやっています」
日比が言うように、秋に近畿大会で準優勝した智弁学園は、出場校に選ばれた今年のセンバツでは優勝候補のひとつに挙げられるはずだ。畝傍からすれば、それは願ってもない成長の契機となる。
「センバツで智弁さんが勝ち上がってくれれば、たくさんの試合を見ることができますから。そこからしっかり学びたいと思います」
監督が不敵に呟く。畝傍の「当たり前の基準」が、またワンランク上がった。
📝<春風に乗って>’26センバツ 三重 出場決定までの軌跡/下 粘りと信頼、チーム成長
https://news.yahoo.co.jp/articles/5bf0d6d707245e1bec4c4bf86d8c44acd2e84a6e
グラウンドの内外で「変化」したチームは秋を迎えて県大会を制したことで、東海大会に進んだ。他県の強豪を相手に、投打に成長した姿を見せた。
初戦となった2回戦で常葉大菊川(静岡)と対戦した。沖田展男監督が「よく打つ打線」と警戒していた相手に、二回に4長短打に2四球1盗塁を絡めて5点を先取し、試合の主導権を握った。投手陣も踏ん張り、本塁打を含む13安打を許しながら、上田晴優、吉井海翔、古川稟久(いずれも2年)による継投で4点に抑えた。
続く聖隷クリストファー(静岡)との準決勝も10―2で七回コールド勝ち。勢いに乗って進んだ決勝の相手は中京大中京(愛知)だった。
甲子園で春夏合わせて11回の優勝を誇る古豪に一回に3点を奪われた。追いかける展開のまま終盤を迎えても、選手たちは諦めていなかった。
3点を追う九回、先頭の水野史清(1年)は気迫あふれるヘッドスライディングで一塁へ滑り込み、内野安打で出塁した。「何が何でも塁に出てやると、強い気持ちで打席に立った。後ろにつなげれば先輩たちがつなげてくれると信じていた」と水野の思いに応えるように福田篤史(2年)が中越え適時三塁打で、秋山隼人(2年)も右前適時打で続き、1点差に詰め寄った。
勢いは止まらない。さらに2死三塁から、前野元佑(1年)が右中間適時三塁打を放った。土壇場で打線がつながり、ついに追い付いた。
試合はタイブレークの延長に入り、最後は力尽きた。敗れたとはいえ、沖田監督は「粘り強く戦い抜くことを選手たちに学んでほしかった。試合でしか分からないことがあるはずだ。総合力がこの試合で上がった」と手応えを感じていた。
課題も残った。大西新史主将(2年)は普段対戦の少ない投手を相手にして、「簡単に追い込まれないようにするにはどうしたら良いのか」と考えた。主将という立場でも「どこで声かけすればいいのか」と仲間を鼓舞することをより意識するようになったという。
センバツ出場は決まった。大西主将は「僕たちは打力は決して高くないが、経験値を積むことはできる。細かいミスをしないで、できることをすれば、僕たちらしいつなぐ泥臭い野球をできるはず」と話した。秋の実りを春の甲子園につなげるため、寒い冬場も地道に練習を続ける。